メディア学部

School of Media Science 八王子

REC.012 chapter.1「『感動』から『行動』へ」

2013年12月17日開催

season2

REC.012 chapter.1
『感動』から『行動』へ

―テレビ業界がものすごくパワーのあった時代と比べ、今、マネージャーはどんな資質が必要とされていますか?

吉田 雄生氏(以下吉田と敬称略):マネージャーのイメージも時代とともに変わったと思います。かつて会社の売上のほとんどが、芸能人のテレビ出演で頂いたギャラという時代があって、僕が11年前に入社したときもそうでした。しかし、テレビの視聴率が低迷すると制作費も下がるので、その売り上げも落ちます。そこで、マネージャーもテレビ以外のところで収益をどう上げていくかがすごく大事になってくるわけです。

―メディアはどこも同じ構図ですね。

吉田:ですから、固定概念を持たずにアーティストを売っていくには、どのメディアで、どういう環境で、どのように世の中にプレゼンしていくかを、柔軟に考えることが大事です。これしかないとか、先人のやってきたことをやっておけば良いと思う人は厳しい。純粋にアーティストそのものを見て、いいものを引き出して、適切なメディアを選び、それを掛け合わせていくことがすごく重要になると思います。

―どんな人材が必要ですか? もしくは、どんな人がマネージャーに向いていますか?

吉田:まずはエンタテインメントを心から好きで、感動を知っている。そして、その感動を分析できることが重要です。感動を言葉に置き換えると、それは本物になっていきますからね。だから、考えて行動して、何かを勝ち取ることのできる人が向いていると思います。理屈だけで動かない人は厳しいですよね。

―確かに、感動から行動に移せる人は仕事ができますよね。

吉田:できる人は感動を分析し、俯瞰で見ているから、心は熱いけど冷静ですよね。冷静なだけではなく、熱いだけでもない、この両方のバランスがとてもいいんですよ。

―一般的に、マネージャーの仕事とは付き人なのか、別の何なのか、深いところまで理解されていませんよね。

吉田:そういう勘違いは多いと思います。でもワタナベエンターテインメントは、マネージャー、次にチーフ・マネージャー、さらに次はプロデューサーと、マネージメントとプロデュースを一体化しています。身の回りの世話をすることはマネージメントと考えていない。アーティストをプロデュースすることがワタナベエンターテインメントの考え方で、これは会社で若手に伝えていることのひとつです。

―マネージャーという立場から、アーティストに様々なことを説明していかなければならないわけですね。これだけでも大変だと思います。

吉田:スタッフにはしっかり説明できるけど、アーティストの前ではできないというケースもあります。アーティストは24時間365日自分のことを考えていますから、負けちゃうんですよね。しかし一方でアーティストの意見は一面的になることもある。だからそれに負けない情熱、好奇心を持ち、客観的な情報などを取り込んで、しっかりしたヴィジョンをアーティストと共有して進んでいく必要があります。アーティストの言ってくることが、必ずしも正しいわけではないですから。しっかりした目をもっていないといけないんです。

 

chapter.1 『感動』から『行動』へ

吉田 雄生さん

REC.012 吉田 雄生さん
(株)ワタナベエンターテイメント 取締役 第二マネージメント本部 兼 マーチャンダイジング室 兼 関西事業本部担当

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