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メディア学部

School of Media Science 八王子

REC.007 chapter.2「新人には、失敗をしないという目標はいらない」

2013年11月26日開催

season2

REC.007 chapter.2
新人には、失敗をしないという目標はいらない

―新入社員に期待することは何ですか?

堀:今の新人は、会社に入ったときから自分が何かをできると思い込んでいる節があります。しかし、仕事に関する情報量が圧倒的に少ないですし、思うようにはなかなかいかないですよね。経験値から言えば当たり前です。ですから、しばらくは言われた事をきちんとやれるくらいまでは我慢強く頑張ってくれて、その間に色々ためてくれればいいんです。だんだん慣れてきたところで、力がつけば次にいけますから。だから僕は、3年は新人に期待していません。失敗をしない、という目標はいらない。どうぞ失敗してください。最低限、嘘をつかないとか、時間は正確に守るといった普通の事ができていれば、散々失敗してくれて構いません。3年経って一通り失敗したら、次はもう失敗したくないでしょ?
ということがわかれば、3年後から期待できる。期待しているよ、なんて言っても、ただただ重荷に感じるだけです。

―会社ではどんなお話をなさるのですか?

堀:うちの会社にも20代の社員がたくさんおりますが、先日「今後、日本の人口がどうなっていくのか」、「今の年代別の人口比率がどう変わっていくのか」を、具体的な数字を見せながら話しました。
そこで「ホリプロが今のままでいくと、人口減少の影響で会社はどうなるのか?」「それと同じ事が他の産業でも起きると、どのような影響があるのか?」を、「今、現在のこととして考えないと必ずダメになる」前提で話し、その上で「では、何をやりますか?」と。これらは最近の社内研修のテーマでもあります。未来がバラ色で右肩上がりならいいんですけど、世の中的に右肩下がりのうえ、よその会社よりその角度が増したら、あっという間になくなってしまうような会社ですからね、当社は。

―社会背景をよく理解し、次のことを考えていこうということですね?

堀:過度に発展すると、滅び方も早いということがあります。また、ただ死ぬのを待つのと、向こう傷を負って死ぬのとでは全然違う。生き残ればなおいいし、ホリプロに関しては、多少向こう傷を負ってでも前に進みましょう、と選択することに意味があると思っています。
日本は世界初の超高齢化社会になって、中国もすぐそうなるわけです。一人っ子政策を変えるといっても、その影響もまた日本を襲ってくる。世界は常に繋がっています。ですから、それはすぐそこにある危機だと思ってやらないと、とても過去の前例で解決しようと思ってもできないです。

―日本全体に言えることですよね。

堀:現実を理解せず、夢みたいな事をいうのが一番危ない。東京オリンピックという夢みたいなイベントがまた来ますが、一番怖いのは祭りの後。ターゲットはそちらに変わっています。そこまでもう、あっという間ですからね。

―この業界に入るために、学生たちはどんな勉強をしたらいいでしょうか?

堀:最低限、一つの語学もそうですが、今は現在と未来に対して世界史的な観点からものを見る事が大切です。地理上のこともそうです。「何故、今があるか」には理由があり、それを遡って知る事が必要です。今だけを知っていても、まったく未来に結びつかない。未来に起こる事も想像できないと思います。
例えば、どうして多くの国が領土問題で揉めているのか。こういった事は日本だけでなく、世界中にありますよね。何にナーバスになって、何を発言するかは、全部わかっているから言えることです。わかっていないと、ただの失言になってしまう。

―短絡的に考えないで深淵をしっかり見つめること、ですね。

堀:今日の講義は「今の自分は何をやるか、自分たちで考えよ」がテーマでした。学生たちはまだ2年生で就職もしていませんが、僕が話したかったのは、就職で終わったと思うなよ、ということです。就職した後からが本当の勝負です。

 

 

chapter.2 新人には、失敗をしないという目標はいらない

堀義貴さん

REC.007 堀義貴さん
(株)ホリプロ代表取締役社長/一般社団法人日本音楽事業者協会会長

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