メディア学部

School of Media Science 八王子

REC.002 chapter.2「仕事で最も大切にしていること」

2014年9月30日開催

season 3


REC.002 chapter.2
仕事で最も大切にしていること

―ゲスト講師の皆さんに、共通テーマで「仕事で最も大切にしていること」という質問をしています。お仕事で大切にしていることを教えていただけますか?

山本:「ぶれない」というか、一つちゃんと芯を持つことですね。もちろん日々悩むし、迷うし、成果も出したいからあっちにもこっちにもなびきたい。今はこっちだから、あっちもやっておいた方がいいんじゃないかと色々思いますが、それで芯が無くなってしまうと自分の立ち位置がわからなくなってしまいますよね。

―本当にそうですね。

山本:番組を制作する上でも、自分の人生を生きる上でも、ここだけはというところを無くしてしまうと、絶対にだめになってしまいます。その瞬間少し良くなったとしても、だめになったときに次に行けないので、基本はぶれない信念を持つことだと思います。そこを持っていたら、多少それが右に行こうが左に行こうが、真ん中のところだけは崩さずにいられる、ということが一番大切ですね。

―簡単なようで難しいですよね。

山本:だからそこはもう一度、色々やって迷い出したら「ぶれていないか?」と戻って考えて、AとBがあったらぶれないためにBを選ぼうという、基本に戻って真ん中の線を考えて決める、ということは多いですね。

―貴重なお話ありがとうございました。さて、ミュージックステーションですが、2015年で30年目に突入ですね?

山本:番組がここまで続くとは思わなかったのですが、本当に恵まれていると思っています。入社してすぐに音楽番組の担当になりましたが、つぶしてばかりで(笑)、3年間歌番組から離れていました。ミュージックステーションをやるようになって、35歳でディレクターとプロデューサーをやり始めて、40歳近くなったときに、これはもう自分の一生の代表作だと思いましたね。

―当時はミュージックステーションだけでも大変にお忙しかったのではないですか?

山本:たぶん一番感性が優れている30代後半でこの番組1本しかなかったので、この点でも恵まれていたと思っています。これはきっと僕の代表作になるだろうな、とその頃思いました。だからその頃に、覚悟ができたと言うのか、逃げるつもりはないけれど、もう逃げられないという思いでした。ただ、始めはここまでやるとは思わなかったのですが、2015年で30年目を迎えても、やりたいことはまだまだたくさんありますよ(笑)。

―山本先生は、コンサートに毎年150回以上行かれています。最後になりますが、感性の磨き方を教えてください。

山本:何にでも好奇心を持つことだと思います。一つでもいいから、ちゃんと首を突っ込んで身体を突っ込んで、現場に行って触れて、という好奇心を持つことは大切です。うちの番組制作メンバーや僕もそうだったのですが、ジャンルにこだわらず、2つでも3つでもいいから、知識としてではなく、本当に好きなものを見つけてほしいです。ネットで調べて、その瞬間に聴いて、名前を覚えて知った気になっても、すぐに忘れてしまいますから、何でもいいから本当に好きになることが、感性を磨く上では大事だと思いますね。

―ありがとうございました。

 

chapter.2 仕事で最も大切にしていること

山本たかおさん

REC.002 山本たかおさん
株式会社テレビ朝日編成制作局 エグゼクティブプロデューサー
ミュージックステーション チーフプロデューサー

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