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[2012年度]第3回「東京工科大学の教養スタンダード「教養学環」。専門分野に必要な、豊かな教養の習得へ。」

2012年7月13日掲出

皆さん、こんにちは。今回は「教養学環」のそれぞれの科目群を学ぶ意味や、未来のエンジニアを育てるための教育についてご紹介します。

世界の“リベラルアーツ”は共通ですよね。人文科学、社会科学からはじまり、語学、社会人基礎。そして、やはり東京工科大学としては工学、数理科学や自然科学、ICTリテラシーといった分野の常識も「教養学環」でしっかりと教えていこうと考えています。学生の皆さんには、教養学環で知識のベースをしっかりつくり、自分の専門形成に役立ててほしいですね。

今回、教養学環の設置に向けては、きちんとした教員の組織が必要と考え検討してきました。たとえば、語学の教員を見ると、蒲田キャンパスはほとんどがネイティブスピーカーです。八王子キャンパスでもネイティブスピーカーをさらに増やしています。海外で外国語を使うとなると、やはりネイティブスピーカーの発音やコミュニケーションの取り方などを学び身につけることが重要です。そのための教員組織の改革も急速に進めています。つまり、エンジニアを育てる大学としては、海外の技術者ともスムーズに仕事ができて、海外生活にも役立つ生の外国語を教えていくということです。

また、教員一人ひとりが、「教養学環」を設置するにあたり、東京工科大学の学生がエンジニアとして将来活躍するために必要なさまざまな教養科目を集め、それぞれの科目群で何を教えるのかを考えました。たとえば、本学の学生であれば、哲学や科学を知らなければならない、人や生命を扱う場合は倫理学を知らなければならない、当然、工学系だから経済学を知らなければならない、政治学も知っておいた方がいい、などなど。それによって、専門教育の見直しを行い、教養学環(基礎)と専門教育の改革をリンクさせて行いました。専門科目も基礎的なものを中心に、科目数を絞って、少人数クラスで授業を行うようにしています。そうすることによって、教員は、学生一人ひとりに目が届くようになりました。

最後に、これまで紹介してきた「国際的な教養」「物事を批判的に見る能力」「創造力」を活かして、次の問題について考えてみましょう。日本の現在の大きな問題は、技術の“ガラパゴス化”です。たとえば、電化製品を見ると、とても多機能ですが、この機能を海外のユーザーも必要としているでしょうか?国際教養が身についていれば、どの国でどのような機能が必要とされているか分かるはずです。このようなことに着目し疑問を持って仕事ができれば、新しい発想も生まれますよね。

高校生の皆さんも、まず、さまざまなことに疑問を持つことからはじめてみてはいかがでしょう。