軽部学長のきらっとひらめきコラム

東京工科大学 HOME> 軽部学長のきらっとひらめきコラム> [2014年度]第4回「工学部を特徴づける学びの3本柱 ―サスティナブルな専門性・実践力・国際性を身につける特色ある学び」

[2014年度]第4回「工学部を特徴づける学びの3本柱 ―サスティナブルな専門性・実践力・国際性を身につける特色ある学び」

2014年8月6日掲出

皆さん、こんにちは。今回は2015年4月年に新設される工学部の学びの特徴について、お話したいと思います。

新しくできる工学部には、3本の学びの柱があります。ひとつめの柱は、前回からお話いているように世界で初めて掲げる“サステイナブル工学”です。今、考えているのは、まず学生がアイデアを出して設計し、それをシミュレーションを利用して徹底的に評価し、さらに設計を手直しして再びシミュレーションをして評価する…ということを繰り返しながら、実際の形にするところまでもっていくという学び方です。設計と評価を繰り返して詰めていくうちに、きっと素晴らしいサステイナブルなものができていくだろうと考えています。

たとえば船をつくる場合、その船をどれだけサステイナブルなものにするか、学生たちに考えてもらいます。中には船に帆を立てようと考える人もいれば、水の抵抗を減らすため、船底にウナギのようなヌルヌルした塗料を塗ろうと考える人もいるかもしれません。船は軽油で動きますが、帆を使って風の力を活かせば速度が増し、省エネルギーになりますし、水の抵抗を減らす新しい塗料を開発できれば、同様に省エネになるでしょう。そういうアイデアを学生たち自身で考えて設計し、シミュレーションしてもらいます。それを繰り返していくなかで、最もサステイナブルな方式が決まったらつくってみる。そういうプロセスで、サステイナブルなものをつくるための技術につなげていきたいと思っています。

2本目の柱は、コーオプ教育です。本学は実学主義を謳っていますが、その典型はやはり実社会の現場で働くことだと言えます。そこで工学部では、大学で学んできたことが現場でどう活かされるのか、現場で何を学ぶべきかを学生が身をもって経験できるよう、学生全員に約2ヶ月間、企業で就業体験をしてもらいます。そして企業からは給与をもらいます。これまでインターン制度というものもありましたが、この場合、企業は学生に給与を払わないため、どうしても“お客さん”扱いで終わりがちでした。しかし給与を払うとなれば、学生といえどもそれに見合うだけの仕事をしてもらおうと企業は考えますから、お客さん扱いでは済みません。また、就業体験をする前後で、それを支援するカリキュラムを用意しており、就業先と大学とで学修プログラムもつくっています。このように企業と大学で連携しながら、両者で責任をもって実践的に学生を教育するのがコーオプ教育です。

3本目の柱はというと、国際化の時代に沿うよう積極的に授業に英語を取り入れていきます。できれば講義も英語で行いたいところですが、さすがにそれは難しいということで、まずは専門科目において英語で書かれた教科書を採用する予定です。教科書は普段の勉強はもちろん試験前などに必ず読まなければなりませんよね。たとえそれが英語で書かれていても、読まなければならない。そういうふうに日常的に英語と接する時間を増やすことで、英語に慣れることが大切だと思っています。

東京工科大学の工学部は、今日ご紹介した3本の柱を中心に学びを構成していきたいと考えています。この特徴的な学びは、他にはない本学ならではの学びになるだろうと自負しています。