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[2017年度] 第10回「変わる日本の大学 ――専門職大学等について」

2018年2月9日掲出

 こんにちは、学長の軽部です。一般入試が終わり、受験シーズンもいよいよ後半戦に入りました。最後まであきらめることなく、志望校に入学できるようチャレンジしてください。

 さて、今回はこれからの日本の大学についてお話ししましょう。2017年、文部科学省は2019年度より「専門職大学」「専門職短期大学」(以下、専門職大学等)を創設することを決めました。専門職大学というのは、文部科学省によると“実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関”というものですが、より端的に言えば、偏差値では測れない能力のある人で、ある職業に特化した人を養成する大学と言い換えられるでしょう。
 例えば、アメリカにはプロフェッショナルスクールという専門職業大学院があります。デトロイトにある自動車関係のプロフェッショナルスクールを例に取れば、そこの卒業研究は自動車を1台つくることだそうです。その学校では自動車のすべてを学ぶので、卒業後は即戦力として自動車会社に入社もできるし、自分で整備工場などのショップを開くこともできます。他にもドイツにはマイスター制度がありますし、フランスにはポリテクニックといった職業教育を中心にした高等教育機関があります。そういう学校でライセンスを取れば、その分野の専門家として即戦力として働けるわけです。そういう高等教育機関が日本にはないということで、このたび専門職大学等をつくる運びとなったのです。

 もう少し詳しい背景を言えば、産業界からの要請が大きいのです。というのも今の日本の大学は、教養や基本的な専門知識を身に付け、4年間で自分の専門を確立して、社会人として自立できる人を育てるという役割を担っています。しかし、現実として企業側は即戦力を求めているため、その部分がどうしてもマッチングできていません。そこで考えらえたのが、専門職大学等というわけです。
 また、日本には多数の専門学校がありますが、それとの大きな違いは、専門職大学等は卒業時に大学と同じように学士(専門職短期大学は短期大学士)の学位が授与されることです。また、実習の多いカリキュラム構成となり、従来の専門学校や大学のカリキュラムとは大きく異なる教育内容になります。

 こうした変革は、産業界側の利点だけでなく、学生側の選択肢が広がるというメリットにもなるだろうと思います。従来のような大学を出て就職するという単線コースが複線化され、多様な人を育む新たな土壌ができるという意味では、今後の日本にとっても重要なことでしょう。ですから本学の母体である学校法人片柳学園でも、現在、専門職大学の開設を検討しています。もし開設することになったら、本学も協力していく予定です。