研究プロジェクト

応用生物学部 最先端のDNA研究で、がん予防・治療の未来を拓く

1)血中安定性が向上した免疫活性化タンパク質はがん細胞の攻撃に有効だ。

2)がん細胞にはゲノム不安定性という特性が見られ、その機構の解明は新たながん治療法・予防法の開発に貢献する。

3)多くのがん関連遺伝子ではDNAのメチル化が起こるが、それを簡便に検出することで、がんの早期発見が可能となる。

4)核酸によるがん細胞の抑制を示す顕微鏡画像。がん細胞を特異的に死滅させる方法の開発により、がん治療への貢献をめざす。

がんの予防・治療・治療薬の開発をめざして包括的な研究を推進

 日本で、がん疾患が脳血管疾患を抜いて死因のトップとなったのは1981年のこと。それ以降、がんの罹患数、死亡数ともに年々増え続けており、今では2 人に1 人ががんにかかり、3 人に1 人ががんで亡くなっています。応用生物学部では、このがんに対して、最先端の生物工学技術で対抗しようとしています。

そもそもがん細胞の発生には、紫外線や化学物質による遺伝子(DNA)の損傷が深く関わっており、修復しきれないDNA損傷が蓄積するとがんを引き起こすと考えられています。そこで疾患ゲノム制御研究室では、DNA損傷・修復の研究を通して、がん化原因の解明や、新たながん予防法および治療法の開発をめざしています。

 また、がん治療では早期にがんを診断して速やかに治療を始めることが重要ですが、がん細胞では、がんの抑制機能を持つ遺伝子が異常に化学的修飾(メチル化)を受け、不活化されていることが知られています。そこで生体機能化学研究室では、このがん抑制遺伝子のメチル化に着目し、独自に開発した機能性核酸を用いたメチル化の簡便検出の方法を研究。その成果は早期ガン診断につながるものとして期待されています。

 さらに、機能性RNA工学研究室では、がん細胞の抑制に有効な核酸の同定と、その配列を医薬品として応用する研究が進行中です。具体的には、RNA干渉という技術に着目して、がん細胞を特異的に細胞死に導くRNA配列の同定、ならびにその配列の機能解析を通して、がんに効果のある核酸医薬品の創出をめざしています。

 そのほか、注目されているガンの治療法のひとつに、自分自身が持つ免疫細胞の働きを活性化してガン細胞を攻撃する「がん免疫療法」があります。生物創薬研究室では、自然免疫で機能するラクトフェリンというタンパク質を使って免疫細胞を活性化させ、がん細胞を攻撃するバイオ医薬品の開発をめざしています。ラクトフェリンは安定性が低いため、この取り組みでは、生体内での安定性を向上させることがひとつの重要な課題になっています。

 このように応用生物学部では、多角的なアプローチでがんに挑む包括的な研究を展開しており、着実に成果を挙げつつあります。

研究紹介

生物創薬研究室

遺伝子工学や細胞工学を駆使した新規タンパク質医薬品の創製研究を行っている研究室について紹介いたします。

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