研究プロジェクト

コンピュータサイエンス学部 最先端の人工知能技術を活用し、より安心・安全な出産の実現へ

1)腕時計型ワイヤレス運動センサーを活用した医療保健学部との共同研究。コンピュータサイエンス学部では、学内外を問わずさまざまな医療機関との共同研究を展開している。

2)胎児心拍数陣痛図。上が胎児の心拍数、下が子宮収縮の様子を表す。(出展:助産師国家試験ホームページ)

最先端のICTで医療の未来を支える、多彩なプロジェクトが進行中

 人工知能技術の利用は多くの分野で急速に広がっています。コンピュータサイエンス学部では、福岡大学病院からの依頼を受け、「ディープラーニング(深層学習)」という人工知能技術を用いた、新たな周産期医療の手法を開発するプロジェクトを立ち上げました。この取り組みでは、胎児の心拍数と母親の陣痛に関する情報(胎児心拍数陣痛図の情報)から、異常分娩の危険性をより正確に診断することができないかを探っています。本プロジェクトは、本学部と大学病院、測定機器製造会社の産学連携により進めているもので、日本を代表する最先端の周産期医療研究のひとつと言えます。

 そのほか本学部では医療保健学部と連携し、来るべき高齢化社会の課題解決に向けた多様な「医療IoT」プロジェクトを推進しています。IoT (Internet of Things=モノのインターネット)とは、身の回りのさまざまなモノをインターネットに接続して活用することを意味し、本学部では医療分野での活用について研究を進めています。

 そのひとつが、手足がほとんど動かせない重度の運動障害者の方が、体に大きな負担をかけることなくパソコンやインターネットを利用できるようにするための操作補助システムの開発です。これまでもカメラを使って顔の動きを認識するシステムや、頭に取り付けた脳波センサを用いるシステムなどがありましたが、意図していないときに誤動作が起きたり、システムの維持管理が大変であったりして、広く普及するには至っていませんでした。そこで、重度の運動障害を持つ方であっても手首を小さく回転させることは比較的容易に行えることに着目し、腕時計型のワイヤレス運動センサを使って、障害者の方の意図をキーボードの代わりに伝えるシステムの実現をめざしています。小さなワイヤレス受信機は、普通のキーボードとして動作するため、市販されているほとんどすべてのパソコンに接続するだけで、手軽に利用することができます。

 また、医療だけでなく、スポーツや楽器演奏などにも役立つ、「モーションキャプチャー技術」を利用したシステムの開発にも取り組んでいます。人の動きをコンピュータに入力するモーションキャプチャーは、映画やゲームの制作で使用されていますが、装置が大掛かりになってしまうことから、日常生活の中で気軽に利用することは困難でした。このシステムはモーションセンサと呼ばれる指先サイズのデバイスから送られてくる運動信号を、小さな電池1つで一日中使えるマイクロコンピューターで計算処理することで、目には見えないかすかな動きを1秒間に最大400回のスピードでキャプチャーすることができます。このシステムを腕時計やメガネ、ウエストポーチといった日用品に組み込むことで、体調の変化を早い段階で知らせる健康管理システムや、日々の練習によるスポーツや楽器演奏のスキルアップを確認できるシステムへの応用が期待できます。

研究紹介

重度身体運動障がい者向けパソコン操作補助システム

重度身体運動障がい者向けパソコン操作補助システムについて紹介したビデオです。重度の運動障がいを持つ方であっても手首を小さく回転させることは、比較的容易に行えることに着目し、腕時計型のワイヤレス運動センサーを使って障がい者の方の意図をキーボードの代わりに伝るシステムの研究開発を行っています。

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