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来年度から応用生物学部では「生命科学・環境コース」と「医薬品コース」を加えた新コース体制が始まります!

2015年5月8日掲出

応用生物学部 梶原 一人 教授

2016年4月より、新たな4コース制が導入され、専門教育や研究の充実が図られるという応用生物学部。今回は、その具体的な内容や学びの特長を、学部長である梶原先生に伺いました。

■来年度、応用生物学部はどのように変わるのですか?

 応用生物学部の目的である「バイオテクノロジーに関する基礎知識と専門的な知識・技術を修得し、それらを人や社会、環境、産業のために幅広く役立てる人材を育成する」ということ自体は、これまでと変わりありません。その中で社会や学生が求める学びや環境に応じて、今まで以上に教育体制を強化・充実させようと、今回のコース再編が実施されることになったわけです。

 具体的に言うと、本学部では生物と化学を学んだうえで、2年生の終わりまでにひとつの応用分野をコースから選ぶというカリキュラムになっています。今回、そのコースを再編し、来年度からはさらに多様な領域が学べる「生命科学・環境」「医薬品」「先端食品」「先端化粧品」の4コース制がスタートします。この内、「生命科学・環境」と「医薬品」の2コースは、来年度から新設されるものです。

 「生命科学・環境コース」は、もともとあったバイオテクノロジーコースと環境生物コースに共通する学びが多かったことから、それらをひとつのコースに統合し、コース内で生命科学分野、環境分野の2分野に分けて学べるようにしたものです。コース内容としては、生物が持つ優れた機能を応用して、医療や環境保全に役立つ知識や技術を学んでいきます。
「医薬品コース」は、これまでバイオテクノロジー分野を専攻した学生の就職先に、医薬品関係の会社が多いという事実から、それを独立したコースで学べるようにしようと新設することになりました。この学部には、創薬を最終目的に研究している先生もたくさんいるので、そういう背景も手伝って独立したコースにすることができたのです。

 また、「医薬品コース」と他大学にある薬学部とでは、何が違うのかというところにも触れておきましょう。いわゆる薬学部では、割と単純な有機合成物質を使った合成薬剤などを扱うことが中心です。一方、本学部の「医薬品コース」では、生物由来、例えばRNAやラクトフェリンなどのタンパク質を用い、最新のバイオテクノロジーを応用して創薬研究に取り組みます。その点が薬学部とは違う、本学部の大きな特長だと言えますね。

 それから食品の保存などの食品管理や機能性食品など人々の健康をサポートする食品開発を学ぶ「先端食品コース」と、皮膚や髪、化粧品など美容と健康に関する知識と技術を学ぶ「先端化粧品コース」は従来からあったものですが、昨年、教員が増えたことで、研究の層がかなり厚くなっています。詳しい研究内容については、本学ホームページの各研究室の動画で確認してみてください。

・Movie Library「応用生物学部」
https://www.teu.ac.jp/gakubu/bionics/labmovie/course.html

■他にはどのような変化や特長がありますか?

 新たに始まったことではありませんが、応用生物学部の特長としては、実験が充実しているということが挙げられます。1年生から3年生までは学生実験、4年生では卒業研究に取り組みます。中でも1年次の実験は“講義付き実験”というもので、実験の時間とは別に実験内容について詳しく学ぶ講義時間が用意されています。通常の学生実験は、実験前に注意事項などを伝え、実験後に自分で調べてレポートにするというパターンが主流ですが、このように事前に講義を設けることで、何を知るための実験なのかという目的を明確にし、学生の理解をより深めることにつなげています。また、講義付き実験は、1学年を4クラスに分けて、1クラス70名程度で実施します。実際に実験を行う時は、1クラスが2部屋に分かれて、それぞれ別の先生に指導を受けます。ですから実質35名での実験となり、その中でさらに2~3名のチームに分かれて取り組んでもらいます。その際、指導教員のほかに、実験専門の講師1名とTA(ティーチングアシスタント)が2名付きますから、非常に細やかな指導が受けられるようになっています。

 2年次の実験では、生物や化学に関わる実験を半日かけてじっくり行います。具体的には、「応用生物学実験Ⅰ」と「応用生物学実験Ⅱ」に分かれていて、Ⅰでは環境分析や有機化学をテーマに基礎的な生物と化学の実験手法を習得し、実験結果のレポートを作成します。Ⅱでは、前半に生化学実験として生化学や遺伝子工学、後半は微生物学実験として微生物学の基本操作に関する実験に取り組みます。いずれの実験も操作法や操作の意味を学び、実験結果を考察する能力を養うことが目的です。

 3年生の学生実験は、自分が選んだ専門コースに沿った内容の実験になります。すでに基礎を身につけた3年生ということもあって、1、2年次よりは実験クラスの人数が増えますが、指導教員2名に加えて、実験専門の講師4名、TA4名と、サポートする体制も充実させています。やはり応用生物学部において実験は非常に重要ですから、しっかり技術を身につけられるように体制を整えています。

 それから少人数教育という特長もあります。特に化学や生物、数学、外国語などの基礎科目は、学生の能力別に設けた少人数クラスで受講できるので、自分のレベルに合った丁寧な指導が受けられるようになっています。このように本学部は、一学部一学科ではありますが、大教室での授業ばかりではなく、細かくクラスを分けて少人数で教える授業も多数用意しているのです。

■学習や就職のサポートという面ではどうでしょうか?

 これは東京工科大学が全学的に実施していることですが、高校のクラス担任に相当するアドバイザー制を設けています。教員全員で学生を見るというもので、1年生のフレッシャーズゼミでは、講義の履修方法や図書館、学修支援センターなど学内施設の使い方、今年からは日本語力をつける授業などの試みも実施されています。2年次、3年次にも、前期・後期に1回ずつアドバイザー教員と面談をするなどして、サポートを続けていきます。

 それから本学部では、3年生の夏休み前までに所属する研究室を決定することになっているので、3年生後期から始まる就職活動の準備や卒業研究活動に余裕を持って取り組めるという強みがあります。

 就職指導面においては、就職・キャリア支援を行うキャリアサポートセンターがあります。また、これも全学的に実施されているものになりますが、キャリアデザインという授業が1~3年生まであるので、徐々に就職への意識が高められるようになっています。また、各学部に就職を専門に担当する教員が配置されているところも、本学の特長です。つまり本学の学生は、キャリアサポートセンター、研究室の指導教員、就職担当教員からの就職サポートを受けることができるということです。これはかなり手厚いケアだと思います。

■最後に、どういう人に応用生物学部に来てもらいたいですか? また、この学部からどのような人材を輩出したいとお考えですか?

 大学の役割は、学生の夢を叶えることだと思います。ですから、ぜひ夢を持って大学に入学してきてほしいですね。高校時代までは受け身の勉強が中心だったと思いますが、大学では自分の夢のために、能動的に勉強してもらいたい。また、大学で学ぶことは、そう易しいものではありませんから、何のために勉強するのかを明確にしておくことは、モチベーションにもつながる大切なことだと思います。もちろん、途中で夢が変わることがあっても構いません。例えば、化粧品を学びたくて入学したけれど、他の分野との出合いによって方向転換することも可能ですからね。皆さんの夢を私たち教職員が、全力でサポートします。

 また、本学部で学んだ学生には、色々な業界で活躍してもらいたいと思っています。現在も卒業生は、一般企業から研究者や公務員まで、幅広い分野で活躍しています。それだけ応用生物学部で身につけた力は、色々なところで求められているとも言えますし、汎用性が高いということでもあるでしょう。今後も本学部を卒業する学生が、どんどんと活躍の場を広げていってくれることを願っています。

・次回は6月12日に配信予定です。