コーオプ教育体験レポート
コーオプ実習とは?

コーオプ実習先
日綜産業株式会社 岩間事業
日綜産業株式会社は、高層ビル、橋梁、ダム、競技場など、社会や暮らしを支える各種建造物の建設工事に欠かせない仮設機材(足場)の製造からレンタルまで、トータルに手掛けるエンジニアリング企業です。今回、コーオプ実習を実施した岩間事業所は、全国に配置された同社の事業拠点の一つで、工場・機材センターの役割を担っています。
2016年9月上旬より機械工学科の2年生が、様々な企業で実習を行いました。そのひとつ、建設用仮設機材の大手である日綜産業株式会社のご担当者と、実習に臨んだ学生のインタビューをご紹介します。

日綜産業株式会社 コーオプ実習ご担当者
コーオプ実習を受け入れた理由は?
東京工科大学のコーオプ教育が、「技術者としての力を養うには現場での経験が重要」という考えに基づくものと聞き、常に「現場目線」で業務に取り組むエンジニアリング企業として深く共感したからです。

学生はどんな仕事を体験したのですか?
建設現場の安全を守る仮設機材(足場)の設計や製造から、生産管理、営業までの一連の業務について、そのサポート的な仕事を社員の指示のもとで行ってもらいました。
特にどんなことに気をつけるよう指導しましたか?
電気工具やプレス機械など、一歩扱いを間違えれば大きなケガにつながる作業も多いので、安全面には十分注意するよう指導しました。

コーオプ実習を受け入れての感想は?
最初は不安もありましたが、大学で学んだ知識を発揮しながら、明るく前向きに仕事に取り組んでくれました。当社の仕事の全体を経験することで、技術者の多様な役割や責任も理解してもらえたと思います。PCをうまく使いこなしているのには感心しました。
学生へのアドバイスやメッセージをお聞かせください
社会に出たら、今以上に体調管理に気をつけること。特に製造業の現場では、風邪や寝不足が事故の原因になりますから。

仕事の魅力はどんな点にあるでしょうか?
当社が提供するのは、建設現場の安全を守る製品ですので、その点で社会に貢献する喜びを実感できます。また、東京スカイツリーなど数々の著名な建設物の現場に関わっていることも、仕事のモチベーションを大いに高めてくれます。
庄司昴平
工学部 機械工学科2年 (取材時)
コーオプ実習を体験した感想は?
正直なところ実習前は大変そうだと思っていましたが、実際に取り組んでみると発見がいろいろあり、楽しいと感じることも多かったです。
どんな収穫や発見がありましたか?
今まで自分が社会で働くことをイメージできませんでしたが、それを肌で感じられました。また、自分の力が通用するところもあり自信になりました。
反省点や苦労したことは?
作業が終了する1時間前くらいになると、集中力が落ち気味になることがあったのが一番の反省点です。
実習前の学習で役に立ったことは何ですか?
話を聞くときの態度や失礼のない話し方など、社会人の基本を事前に学べたのが良かったですね。
コーオプ実習と普通のアルバイトの違いは?
工場見学もさせてもらい、普段は目にできない多彩な機材や技術に触れられました。これはコーオプならでのメリットです。
コーオプ実習の経験を、将来どのように生かしますか?
実習で気づいた自分の課題の一つはコミュニケーション力。それを改善して、将来はチームワークよく働けたらと思います。
コニカミノルタ株式会社
開発統括本部 要素技術開発センター
コニカミノルタ株式会社は、1873年の創業以来、多彩な先端技術を駆使して、情報機器や産業用光学システム、医療用画像診断システムなど、幅広い分野で高品質な製品とサービスを提供しています。今回のコーオプ実習は、本学の地元である東京都八王子市内にある、イノベーションテーマの創出と基盤技術開発を推進する「要素技術開発センター」を舞台に実施されました。
2018年6月~7月にかけての約2か月間、東京都八王子市のコニカミノルタ株式会社 開発統括本部 要素技術開発センターにて、工学部応用化学科の学生2名が、同社の技術開発に関わる業務を経験しました。

コニカミノルタ株式会社 コーオプ実習ご担当者
学生を受け入れる企業として、コーオプ実習に何を期待しましたか?
コーオプ実習は、学生が貴重な経験を積めるだけでなく、我々企業側も学生の力を借りて有用な実験データを蓄積することを期待できます。また、大学の先生と直接会う機会も生まれますので、教育の現場との距離感を縮められることも企業にとってメリットになると感じています。

学生はどんな仕事を体験したのですか?
新しい技術や製品開発の基盤となる様々な化合物の性質の測定や、そこから得られたデータの解析に関わる仕事を担当してもらいました。
作業ではどんなことに気をつけるよう指導しましたか?
組織における安全・円滑な業務遂行を支える報告・連絡・相談、いわゆる「ホウ・レン・ソウ」をしっかり行うように指導しました。

学生にはどんなことを身につけてほしいですか
研究開発を行っている部署ならではの作業、すなわち、ある仮説を立てたうえで、正しい答えを導き出すために様々な考え方で検証を重ねるプロセスを経験して、研究開発に必要な姿勢や基本的ノウハウを身につけてほしいと思います。
現場だからこそ経験できることは何でしょう?
我々の仕事では、他部署との連携や協力が不可欠であり、学生の皆さんにも専門の異なるスタッフとディスカッションや交流を行う機会を設けています。働きながら視野を広げ、幅広い知識を吸収できるはずです。

学生にどんな変化や成長が見られましたか?
最初のうちは慣れない環境に戸惑う様子も見られましたが、徐々に「こうしますか」「これで良いですか」など、社員に対して積極的に発言するようになりました。このように仕事に向き合う姿勢に、主体性が見られるようになったことを頼もしく感じています。
石田 匠
工学部 応用化学科3年(取材時)
片桐 理音
工学部 応用化学科3年(取材時)
実習先が決まったときの感想は?
石田:将来は企業の研究開発職に就くのが夢なので、今回の実習先は希望通りであり、体験前からとても楽しみでした。
片桐:コニカミノルタという会社には光学や機械のイメージを持っていたので、応用化学科で学んだ知識が通用するのか不安でしたが、実際任されたのは化学系の仕事だったので安心しました。

どんな仕事を体験しましたか?
石田:物質について調べるだけでなく、測定データを解析して、なぜこの結果が得られたのか考察したり、次の実験計画を社員の方と一緒に考える作業も経験しました。
片桐:主に担当したのは、高速液体クロマトグラフィという分析装置を使って、化学物質の性質を調べる仕事です。大学で学んだ実験の知識やスキルが生かせました。

どんな収穫や発見がありましたか?
石田:実際に開発業務に携わることで、現場での応用力や生きた知識を学べました。また、PCを利用する計算科学のスキルも鍛えられましたが、これは、これから大学で取り組む研究活動に役立つと思います。
片桐:大学の授業で学んだ「物理化学」に関する知識の必要性を肌で実感できたのは、大きな収穫です。また、企業の第一線では、常に効率を考えながら作業を行うことが大切であることも理解できました。
実習にあたり特に注意したことは?
石田:コーオプ実習前の準備授業でも学びましたが、出社時や退社時の挨拶などの基本的マナーを守ることを心がけました。今も続けている武道で身についた礼儀が、仕事場でも役に立ったと思います。
片桐:薬品を扱う際にはゴム手袋やゴーグルを必ず着用するなど、安全面には特に注意を払いました。
反省点や苦労したことは?
石田:社員の方たちと実践的なビジネスメールのやりとりを行ったことは貴重な経験です。また、一流の設備がずらりと並ぶ研究の最前線を知ったことで、研究職をめざすモチベーションがさらに高まりました。
片桐:今までアルバイトをしたこともなかったので、社会人の方たちと一緒に働いた今回の経験は大きな財産です。自分はあまりコミュニケーションが得意な方ではないのですが、周囲に積極的に関わろうと努力した経験は、きっと将来のプラスになると思います。
コニカミノルタ株式会社
開発統括本部 要素技術開発センター
日本サーモニクス株式会社は、東京工科大学の地元である東京都八王子市に隣接する神奈川県相模原市に拠点を置く機械メーカーです。自動車のエンジン部品をはじめ幅広い金属部品・製品の製造に欠かせない「高周波誘導加熱装置」の開発・製造を一貫して手がけており、取引先は日本の大手自動車会社をはじめ世界各国に広がっています。
2018年6月11日~8月3日の約2か月間、神奈川県相模原市の日本サーモニクス株式会社にて、工学部電気電子工学科の学生が、同社の現場業務を経験するコーオプ実習を行いました。

日本サーモニクス株式会社 コーオプ実習ご担当者様
学生はどんな仕事を経験したのですか?
当社は、「高周波誘導加熱装置」という機械金属製造業向け製品の専業メーカーですが、コーオプ実習では、製品の設計、組み立て、配線、調整、検査など一連の製造プロセスにおける補助業務をひととおり経験してもらいました。

学生の指導にあたって、どんなことに留意しましたか?
学生だからといって特別扱いせず、作業の内容や進め方については、新入社員と同じように教えるようにしました。また、電気を扱う仕事なので、特に感電事故のないように安全指導を徹底しました。

コーオプ実習を受け入れての感想は?
現場では電気電子の知識が必要とされる仕事が多いのですが、電気電子工学科の学生だからでしょうか、オシロスコープなど電気機器の取り扱いに慣れていて感心しました。今回来たのは、外国からの留学生でしたので意思の疎通に不安もあったのですが、日本語がうまくてまったくの杞憂でした。組織における安全・円滑な業務遂行を支える報告・連絡・相談、いわゆる「ホウ・レン・ソウ」をしっかり行うように指導しました。
会社側にプラスになったことはありますか?
コーオプ実習生の「何かを吸収してやろう」という強い意欲に刺激を受けて、教える側の熱意も自然に高まりました。また、学生から鋭い質問をされることもあり、私たち社員が普段何気なく行っている作業を振り返るきっかけにもなりました。
コーオプ実習だからこそ体験できることは?
ものづくりが大好きな社員が集まり、プライドを持って仕事に取り組んでいる現場の空気感を肌で知れることですね。また、高周波誘導加熱という技術により、金属を800~1200℃もの高温に加熱する光景は他では見られません。きっと驚くことでしょう!
コーオプ実習に参加する学生に期待することは?
専門的な知識よりも、ものづくりに対する情熱や興味を持っている学生に来てもらいたいですね。当社の仕事は、一人で黙々と取り組む作業ばかりではないので、やはりコミュニケーション力も身につけていてほしいと思います。
アイン ハフィザ フィテュリナ
電気電子工学科3年 (取材時)
どんな仕事を体験しましたか?
高周波誘導加熱装置の部品の組み立てや、ワークと呼ばれる金属製品の研磨と検査、そのほか高周波発振機の調整など、工場とラボの両方で幅広い仕事を行いました。
コーオプ実習を体験した感想は?
私はマレーシアの大学から東京工科大学に編入した留学生で、日本の企業で実習を行うのは初めての経験です。そこで強く感じたのは、日本の製造業における精度や品質チェックの厳しさ。以前、働いたことのあるマレーシアの企業では問題にされなかった小さな誤差も見逃さない、日本流のものづくりに感心しました。
どんな収穫や発見がありましたか?
日本の企業では、出社時や退社時をはじめ、頻繁に社員同士で挨拶を交わすことが新鮮な発見でした。マレーシアではこんなに挨拶はしません。コーオプ実習を終え、帰り際に社員の方から「今日はよくがんばったね!」と声を掛けていただけたときは、うれしかったですね。
反省点や苦労したことは?
この会社の仕事ではさまざまな機械を使うのですが、使い方がわからないものがたくさんあり、最初は戸惑いました。また、研磨機を使ってワークを磨く作業は、慣れないうちは力の入れ具合がわからず苦労しました。
この経験は、将来どのように役立つと思いますか。
私は将来、日本企業に数年勤めてから、マレーシアで半導体関連の仕事に就き、母国の産業の発展に貢献したいと考えています。今回のコーオプ実習は、日本の企業に慣れるとともに、日本語能力を磨いて、将来の就職に備える絶好のトレーニングになると思います。
コーオプ実習に挑戦する人たちへのメッセージを聞かせてください。
私がお世話になった日本サーモニクス株式会社は大企業ではありませんが、世界各国と取引をしているグローバルな風土のある会社で、とても働きやすい環境でした。私のような留学生にとって、コーオプ教育は日本企業のことを深く理解するチャンスですので、ぜひ活用してほしいですね。