研究事例

土壌診断用バイオセンサーの開発
土壌診断用バイオセンサーの研究風景 農業分野では微生物による土壌病害が作物の生産に極めて重大な影響を与えます。その対策には目的とする農作物に適した微生物(これを拮抗微生物といいます)を土壌に混ぜるなど、これまで様々な研究が行われていますが、効果的な方法はまだ確立されていません。

従来、農作物に適した土壌かどうかを判断する場合、その土壌に植物を植えて、その成長を評価する方法に採用されていました。しかし、この方法では結果を得るのに1〜2ヶ月を要するため、土壌の状態を迅速かつ簡便に診断できる方法が望まれてきました。

そこで着目したのが、排水中に含まれる有機物量を監視するために既に実用化されている微生物センサーです。

このセンサーは溶存酸素濃度を測定する電極の表面に好気性微生物を閉じ込めた多孔性の膜を固定化したものです。微生物センサーの原理を土壌診断に応用して、病害を起す微生物(病害微生物)と拮抗微生物の応答の違いを評価することで、簡便・迅速(30分間)に土壌を診断するシステムを開発しています。
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