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軽部学長のきらっとひらめきコラム

[2012年度]第2回「東京工科大学の教養スタンダード「教養学環」を新設。これからの社会に必要な人材とは?-パート2-物事を批判的に見ることで、新しいものを創造していこう。」

皆さん、こんにちは。前回は「教養学環」で身につく3つ要素のうち「国際的な教養」についてお話しましたが、今回は「物事を批判的に見る能力」「創造力」についてお話しましょう。

はじめに、「物事を批判的に見る能力」について。国際教養を身につけたその先には、物事を批判的に見ることができて、問題発見できる能力を身につけておくことが必要になります。

たとえば、現在の日本の問題として重大なのが「原子力発電」の問題。これからのエネルギーをどうするのかといった、国民それぞれが科学に無関心でいられない問題に直面しています。そうなると、原子力にはどのようなリスクがあるのかということを批判的に見た上で、原子力をとるのか、あるいは石油に依存したエネルギーをとるのかという問題が、いま国民一人ひとりに問われて来ます。つまり「物事を批判的に見る能力」が必要ということなのです。

教養学環では、どのように「物事を批判的に見る能力」を育てていくか、「社会人基礎科目群」の例で見てみましょう。この授業ではPBL(プロジェクトベースドラーニング)を1年次後期に組み込もうと考えています。具体的なやり方として、学生が数人のグループをつくり、初めは教員が問題を提起し、これについて学生たちが調べて、解決の糸口を見出すというもの。
たとえば、エネルギー問題については、教員が「原子力が使えなくなったら、どのような新しいエネルギーが考えられますか?」と問いかけます。学生たちは、問題に取り組んで解決策を見つけていきます。原子力の安全性、津波の危険性など、非常事態が起きる前に問題を発見できていれば、十分に対策を話し合っておくことができます。これにより、物事を批判的に見るという“習慣”を1年次から養っていけることになります。

続いて、「創造力」について。創造力を身につけることは、技術者として必要不可欠なことです。
私は今年の新入生への挨拶の中で、航空工学の父といわれているハンガリーの航空工学者セオドア・フォン・カルマン教授の「科学というのは自然現象を発見することだ」という言葉と「技術者というのは科学者が発見した原理原則を使って、まったく新しいものを創造するのが仕事である」という言葉を紹介しました。つまり、技術者に必要なのは、新しいものをつくれる「創造力」なのです。
本学は工科大学ですから、5学部でそれぞれの“技術”を教えています。さらに全学部が教養学環で“科学”も学びますから、将来、“科学”を使って世の中に存在しないものもつくることができるのです。これが“技術者”であるということを私たちは教えています。
そもそも、科学を学ばなければ、新しい技術を創造することはできません。このように教養学環で学んだ、さまざまな知識があるからこそ、頭の中でその知識同士が結びついたときに、“ひらめき”が起こるのです。学生の皆さんはこの“ひらめき”を大切にして、「創造力」を伸ばしてほしいと考えています。

次回は、教養学環の科目群や担当教員の取り組みについてご紹介します。

2012年6月8日掲出