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変化の速いICTの世界で活躍できる“真のプロ”になるため、多様で幅広い学びを経験しよう!

2013年5月10日掲出

コンピュータサイエンス学部 亀田 弘之 教授

コンピュータサイエンス学部 亀田 弘之 教授

この4月からコンピュータサイエンス学部の学部長になられた亀田先生。今回は、コンピュータサイエンス学部の学びの特長や魅力、ICTを取り巻く状況について伺いました。

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■コンピュータサイエンス学部の学びには、どんな特長があるのですか?

 コンピュータサイエンス学部(以下、CS学部)をアピールするときは、「先進性」「多様性」「就職力」の3点を挙げています。「先進性」というのは、キャンパス内の建物や設備、教育環境はもとより、教育内容や研究内容も非常に先進的であるということです。設備や研究内容については、ぜひオープンキャンパスで、実際に見て、触れてもらいたいと思います。ふたつめに挙げた「多様性」ですが、これはまさに本学部の特長だと言えるでしょう。というのもCS学部で扱うICT教育は、驚くほど幅広く、多様なものになっているからです。それを象徴するのが、2年生で選択する7つのコースです。ソフトウェアコース、システムエンジニアリングコース、ネットワークコース、エンターテインメントコンピューティングコース、メカトロニクスコース、生活環境デザインコース、サービス・ビジネスコースの7コースが用意されていますが、これらは同じレベルで横並びにあるものではありません。例えば最初の3つ、ソフトウェア、システムエンジニアリング、ネットワークは、社会基盤となるものです。つまり世の中で動いている様々なシステムのベースとなるものです。とはいえ、それだけがICTのすべてではありません。その基盤の上で、さらに世の中に役立つものとして、ゲームなどのエンターテインメントコンピューティングやロボットなどのメカトロニクスがあります。また、例えば主婦が「こんなもの、あったらいいな」と思うような、生活者目線での実用性を考えながら研究開発に取り組む、生活環境デザインも社会では必要とされています。サービス・ビジネスは、これからのICTに欠かせない分野と言えますが、銀行のシステムのような大規模なものから生活、さらに法律や企業経営までカバーする分野になります。このようにコース内容を見るだけでも、ICTがどれだけ多様な分野なのか、分かっていただけるかと思います。
 また、CS学部がカバーする学問の範囲は、一般に“コンピュータサイエンス”と呼ばれる学問分野で定義される範囲よりも広いものです。学問的に言えば、ネットワークはコンピュータサイエンスではありません。サービス・ビジネスは経営工学の分野ですし、メカトロニクスは機械工学や電子工学の分野になります。しかしCS学部には、それらが含まれている。つまり本学部は、色々な学科が融合した“総合工学部”と言えるのです。
 さらに、本学部には大学で研究を続けてきたアカデミック系の先生と、企業出身の先生という異なるバックグラウンドを持つ先生方が集まっていることも魅力に挙げられます。異なる土壌で育ってきたエキスパートが集まっているので、ひとつの課題や研究テーマに対しても、視点や発想、アプローチ方法が全く違っていて面白いです。また、企業出身の先生方が就職指導をするという点は、「就職力」の強さにも結び付いています。昨年度のCS学部の就職内定率は全体で約90%、女子学生では100%を達成しています。

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■CS学部がこれほど多様な学びを揃えている理由とは、何なのでしょうか?

 ICTの世界は変化が激しく、しかもそれが非常に早いスピードで起きているからです。例えば、ひとつの分野で専門的に学んだことが、20年後も通用するかというと、恐らくは無理でしょう。ですからCS学部の7つのコースには、時代が反映されていて、今はこれが重要だというもので構成されています。それはつまり、時代に合わせてコース内容がフレキシブルに見直されていくという意味でもあります。また、一般に大学ではひとつの学科を選択し、それを専門として突き詰めていくことが多いです。しかしICT分野では、複数の専門分野が関わる研究テーマも少なくありません。一般に大学で専門から外れる場合は、他学科履修として手続きをする必要がありますが、本学部は最初から多様な分野を用意しているので、その必要がないのです。
 とはいえ高校生のみなさんには、恐らく「コンピュータ=プログラミング」というイメージがあって、いくらICTが幅広い分野だと言っても想像しづらいかと思います。ですから本学部では、まず1年生の段階でICTのすべての分野で共通して必要となる基礎を身につけ、さらにどういう専門分野があるのかということを知ってもらいつつ、自身の興味がどこにあるのかを探ってもらいます。それを踏まえて、2年生でコースを選択します。コースを選択することで、ひとつの芯を持って学習ができるからです。そして、3年生後期になると、今一度、自分が何を学びたいのか、何を研究したいのかを考えてもらい、卒業課題に取り組む研究室を選びます。所属する研究室は、2年次に選択したコースと関係なく、その時点で自分が興味のあるものを選べる形になっています。2年次に選択したコースと卒業課題の研究分野が違っていても大丈夫かと不安に思うかもしれませんが、実はどの分野にも共通するICTの基礎力はすでに身についているので、それが可能になるのです。

■コース制の他に、特筆すべき授業や試みはありますか?

 3年生を対象にした「プロジェクト実習」という授業があります。これは「大学でICTの知識を身につけ、理解できるようになれば、それで良いのか?」という疑問からスタートした授業で、企業出身の先生方の思いが詰まったものです。極端な話、例えば大学でプログラムの処理速度を今よりほんの少し速くする研究に取り組み、成功したとします。でも、それが本当に社会から求められていることでしょうか? 世の中は、それよりももっと大きな、社会に役立つプログラムを求めているし、そういう情報システムをつくることができる人材を求めています。つまり、ICTの知識や技術をきちんと社会のニーズに還元できる、あるいは新しい提案ができるプロフェッショナルを必要としているのです。私はよく比喩として、こういう話をしています。日曜大工で犬小屋はつくれる。海外では、日曜大工で一軒家を建てる人もいる。けれども日曜大工で超高層ビルはつくれない。まさか誰も頼みませんよね(笑)。それと同じで、中学生がちょっとしたゲームのプログラムを書くことは、大いにあり得ることですが、その人に飛行機の管制システムのプログラミングをお願いすることはないのです。社会的規模のシステムには、やはりその道のプロが必要だからです。プロには、単にプログラムができる人とは違ったスキルや視点、倫理観があります。CS学部は、そういう社会で活躍する“プロ”を育てようとしているのです。そして、プロを育てるには、講義や実験だけでなく、本格的な仕事を経験することが何よりだと考えます。その経験ができるのが「プロジェクト実習」です。「プロジェクト実習」は、ネットワーク・ビジネスやゲーム、ロボットといった分野ごとにそれぞれ実習があり、履修した学生は必要となる専門技術を学びながら、自分たちでビジネスモデルを考え、試作品をつくり、市場リサーチやコスト計算をしてプレゼンテーションを行います。このプレゼンテーションは、企業の方に見て頂き、企業目線でのコメントをもらいます。企業側は学生の新しいアイデアを知るチャンスになりますし、学生側は企業目線の考え方を知る機会になっているのです。このように実際の仕事と同じようなプロジェクトを経験することで、学生は知識や技術だけでなく、アイデアや責任感、チームワーク、役割分担、ビジネスとの繋がりを考えられるようになるのです。それこそが本学の掲げる実学主義だと言えます。

・東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 プロジェクト実習例
http://project.t-lab.cs.teu.ac.jp/2012/index

■最後に高校生や受験生へメッセージをお願いします。

 今日、お話ししたように、世の中はすごいスピードで変わりつつあります。昔はポケットベルというものがあって、その次に携帯電話が登場して、今はスマートフォンです。携帯電話もあと何年かすれば、「そんなものがあったんだ」と思われる時代が来ることでしょう。パソコンもタブレット型になって、今あるような形ではなくなるかもしれない。そういう時代の中で、若いみなさんに伝えたいことは「学び方を学びましょう」ということです。もちろん色々な知識を覚え、理解することは重要であり、必要でもありますが、覚えた知識やスキルそのものは、10年、20年経つと、古いものになってしまいます。古い知識がそのまま活かされることもありますが、それよりもその知識やスキルを身につけたときの学び方の方が重要になってくるはずです。というのも、学んだ経験を活かして、次の新しい知識や技術を習得するからです。アメリカの大学では若い学生たちに「君たちが将来、就く仕事は、今ない仕事だ」と言っているそうです。今ある仕事は、みなさんが社会に出て、勤める頃にはなくなっているかもしれない。今はまだ存在しない仕事に就くには、私たちは何を勉強すれば良いのでしょうか? そういうことが問われる時代です。だからこそ、大学ではしっかりと学び方を学んで欲しい。社会に出れば、生涯、学び続けることができるかどうかが、重要になってくるのですから。

■思考と言語研究室(亀田研究室)
http://www.teu.ac.jp/info/lab/project/com/dep.html?id=129

■コンピュータサイエンス学部WEB
http://www.teu.ac.jp/gakubu/cs/index.html

・次回は6月14日に配信予定です。