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技術だけでなく原理を学ぶことで、多様なメディア分野に適応できる基礎力が身につきます。

2013年5月10日掲出

メディア学部 相川 清明 教授

メディア学部 相川 清明 教授

この4月からメディア学部の学部長となられた相川先生。今回は、メディア学部の学びの特長や魅力について、お話を伺いました。

授業の様子01

■メディア学部の学びには、どんな特長や魅力があるのでしょうか?

 まず、メディア学部で扱う“メディア”の位置づけからお話ししたいと思います。本学部では情報通信技術、いわゆるICTと呼ばれるものですが、これをベースにしてメディアに関わる様々な知識や制作・配信の技術などを幅広く学んでいきます。扱う分野も、ゲームや映像、CGアニメーション、音楽などの制作はもちろん、それらを用いたビジネス、教育など、非常に多様です。ただ、ICTと言っても、他大学にある純粋な工学系の情報技術を学ぶ学部とは少し違っていて、ICTとそれを使う人や社会との繋がりまで含めて勉強しようというのが、メディア学部の特長になります。ですから一般にメディアといえば、テレビ放送、新聞・雑誌、インターネットなど、情報の伝達媒体に目が行きがちですが、それだけでなく、情報をつくる人が何を伝えたいのか、そしてその情報はどういう伝達手法で伝えられ、受け手にはきちんと伝わったか、それによりどんな社会的影響があったかということまで含めて“メディア”として捉えています。それはつまり、人が発信したい情報を、どう受け手にうまく伝わるようにつくるかという「表現」の問題と、情報を送る方法や設備などの「技術」、さらにそれを取り巻く「環境」まで扱うということなのです。
 分かりやすい例では、Facebookのようなソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が挙げられます。Facebookは文書、写真、動画などの情報を媒介するものですが、それによって人と人のつながりが生まれますよね。発信された情報だけでなく、情報を伝える仕組みがあり、その仕組みを使って人がどうつながるか、あるいはその仕組みが社会にどう影響を及ぼすか。それらすべてを考えることがメディア学部の“メディア”です。そういうことを踏まえて、教育においても、「表現」「環境」「技術」の3要素を柱にカリキュラムを設定しています。これは1999年にメディア学部が創設されて以来、守り続けている重要な3本柱です。

授業の様子01

■では、カリキュラムや授業にはどんな特長がありますか?

 1年生の段階では、幅広いメディアの分野すべてに関わる基礎科目や各分野の紹介にあたるような科目を用意しています。具体的には「表現」「環境」「技術」の3要素を学ぶ「専門基礎教育科目」と「メディア基礎演習」です。これらを通して、プログラミング技術やコンピュータを取り扱う技術、数学など、どの分野でも必要となるメディア学の基礎を身につけます。例えば、音楽をつくるとしたら、楽器を演奏するのではなく、コンピュータを使って音楽をつくります。それにはプログラミング技術が必要です。コンピュータの操作も覚える必要があります。ですから音楽に興味のある学生は授業を通して、音楽そのものだけでなく、ICT技術も自然にマスターできるのです。ゲームをつくるにしてもCGアニメーションをつくるにしても、制作用ツールの使い方を覚えていくうちに、より高機能なもの、より美しいものを自ら産み出したくなり、その根底にある技術や仕組みまできちんと学んでいきます。ですから本学部の学生は、ツールを使う技術を習得することに加えて、その原理にあたる基礎技術もあわせて学ぶことになるのです。これがメディア学部の学びの、最大の特長だと言えます。また、身につけた基礎技術はどの分野でも活かせるため、就職先を選ぶときにも選択の幅が広がるなどの強みがあります。 2年生の後期からは「専門教育科目」と「メディア専門演習」を用意しています。特に「メディア専門演習」は、20数種類の演習の中から2つの演習を選べるようになっていて、その幅の広さもレベルも非常に充実しています。メディア学部の学生は3年生後期に4つのコース(コンテンツ創作、インタラクティブメディア、ソーシャルメディアサービス、メディアビジネス)から1つを選択し、そのコースに沿った卒業研究プロジェクトに所属することになります。その前段にあたるのが2年生後期の「メディア専門演習」で、この時、4つのコースのうち、2つのコースに関連する演習を選択して学べるようになっています。例えば、ゲームを卒業研究にしたいと考えていても、ゲームの音楽をしたいのか、ゲームのグラフィックスをしたいのか、最後まで迷う学生もいるんですね。ですから「メディア専門演習」で、ゲーム制作とゲーム音楽制作の両方を選んで経験し、どちらのコースを選ぶか、つまりどちらを卒業研究にしたいか見極めることができるようなっているのです。
 また、4つのコースは、学生が将来どういう仕事に就きたいのかということを踏まえた、進路モデルでもあります。例えば、音楽を専門にしようと考える学生が、作曲して芸術的な音楽をつくりたいならばコンテンツ創作コース、ゲーム中の音楽をつくりたいならインタラクティブメディアコース、教材などに音楽を取り入れたいならソーシャルメディアコース、音楽配信など音楽でビジネスを考えたいならメディアビジネスコースを選択することになります。ですからコース選択は、1年生から身につけてきた基礎的な力を、どういう分野で活かしたいかで決まるとも言えるのです。
 こうした基礎から専門までを積み重ねていくカリキュラムに加えて、「プロジェクト演習」という1年生から3年生までの学生が、学年という枠に縛られることなく取り組める演習科目もあります。これは非常に実践的で専門性が高く、その後の研究や就職活動にも強みとなる演習です。

■「プロジェクト演習」では、具体的にどういうことをするのですか?

 「プロジェクト演習」は非常に多様で、例えばツールをマスターするプロジェクトもあれば、ゲームやアニメーションを制作するもの、ミュージシャンのライブプロデュースやプロモーション支援といった音楽ビジネスを手がけるもの、あるいはアカデミックな研究活動を行うものもあります。例えば「ユーミンプロジェクト」といって、松任谷由実さんの苗場でのライブコンサートのお手伝いや、それに伴うコンテンツを制作に関係するものもあれば、ゲームを制作して「東京ゲームショウ」に出展するプロジェクトもあります。早期から研究に取り組むプロジェクトもあり、3年生で学会発表を経験した学生もいました。3年生で学会発表をすることは学会始まって以来のことだったので、すごく評判になったのですが、それも「プロジェクト演習」の成果だと言えます。
 この演習に限らず、メディア学部は学会発表や対外活動が非常に活発です。一般に、学生による学会発表は大学院生がほとんどですが、メディア学部は4年生による学会発表がとても多いという特長があります。また、最近の目立った対外活動としては、学部生と大学院生ら約30人が参加した「JAXA Open API 2013」というプロジェクトがあります。これは小惑星探査機「はやぶさ」が観測してきたデータを使って、アプリケーション開発を行うというプロジェクトで、学生たちはアイデアを出し、多数の作品を制作し発表しました。それから、東京大学大学院情報学環とベネッセコーポレーションが企画した、数学ゲームをネット上で公開できる「グローバルマス」に参加し、数学の学習ゲームを本学部の学生たちで制作するという活動もありました。こういうプロジェクトに参加することは、業界の人と接する機会を持てたり、早学会発表につながったりするので、学生には実社会を体験する非常に良い機会になると思います。

JAXA Open API 2013「Itokawa Lander」の発表及び展示

■最後に、高校生や受験生へメッセージをお願いします。

 大学で楽しく学ぶには、基礎的な知識が必要になります。ですから大学入学前に、数学、国語などの基礎をしっかり勉強しておいてほしいと思います。例えば、ゲームをつくるにしても、ひとつのものをある点からある点へ動かしたいと思ったら、数学の「座標」というものを理解していなければなりません。ゲームと数学は結びつきにくいかもしれませんが、実はそういう基礎なくしてはできないのです。基礎力は短期間で身につくものではありません。ですから、高校生のうちに下地づくりをしておいてほしいのです。
 みなさんの夢を形にできるのがメディア学部です。是非、「これをやりたい」、「これを作りたい」という夢と希望をもって本学に入学してきてください。

■音と音声によるインタラクション
http://www.teu.ac.jp/info/lab/project/media/dep.html?id=47

■メディア学部WEB
http://www.teu.ac.jp/gakubu/media/index.html

・次回は6月14日に配信予定です。