軽部学長のきらっとひらめきコラム

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[2011年度]第3回「「人が実る」という意味での実学主義とは。就職に有利なコンピテンシー能力の身に付け方。」

皆さん、こんにちは。今回は、今年度の教育目標「人が実る」について説明します。

大学は、学問的に人を実らせることはもちろん、人間的にも実らせなければならない場です。社会に出る前の最終教育を行う場なんです。学問的には、大学に入って初めて“専門”を身に付けるという人が多いと思います。併せて、人間としての活動、倫理観など、考え方・生き方などの教養も身に付けなければなりません。

大学で“専門”を身に付けても、最先端の専門は時代とともに次々に変わっていくものです。しかし、基本的な知識は変わりませんから、本学では、基礎教育科目をきちんと学んだ上で、自分の専門分野を学ぶことで、適応性のある人材を育てています。

さらに、これからは適応するだけでなく、自分から行動を起こせる「一歩踏み出す力」を育てる“アクティブラーニング”に力を入れていきます。まず、教員は、学生が授業の内容をどれくらい理解しているかということを、確認しながら授業を進めます。一方的に講義をするのでは、内容が頭の中に残りません。ですから、学生が自分で考え発表する“参加する授業”で、学生の理解度を上げていこうと考えています。その他、小テストを行ったり、レポートを修正して学生に戻すなど、学生と教員の双方向の授業に、より一層努めていきます。

さらに、もっと高度なアクティブラーニングとして、テーマを与えて自分でプロジェクトをつくるカリキュラムを考えています。例えば、「富士山に登る」というテーマで、どのようなルートで登ると楽で早いかを学生が考えます。より良いルートを見つけるために、試行錯誤することで、そこで得た知識は記憶に残るわけです。学生はこのような課題に多くの時間を割き、いろいろ考えることで、成長していきます。

このような、コミュニケーション能力や問題解決能力などを、コンピテンシー能力(個人の優れた能力)といい、これを身に付けることは就職にも有利に働くのです。 コンピテンシー能力には、人の話を良く聞く能力、場の雰囲気をうまくつくる能力、数値で説明できる能力、論理的に説明できる能力などがあり、個人によって異なります。

就職の面接試験では、この能力が問われるようになってきました。例えば、面接官からの「学生時代は何に力を入れましたか?」という質問に、「クラブ活動」と答えたとします。すると、「どんな役職に就きましたか?」「何か問題は発見しましたか?どのように解決しましたか?」など次々と質問されます。これは、企業にとって必要な「問題解決能力」など本質的な能力を探っているのです。コンピテンシー能力を確実に身に付けてきた学生は、やはり早く就職を決めていますね。

これからも“学生が自ら実る”ために、私たち教員はいろいろな手を差し伸べていきます。

2011年7月8日掲出