大山学長のホッとブレイク

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学長メッセージ第5回「これからの教育の形①――オンラインを活用した授業について」

2020年10月20日掲出

  皆さん、こんにちは。学長の大山です。今日は遠隔授業について話したいと思います。
  現在、本学は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、遠隔授業と、感染防止に努めながら対面で行う実験・実習を組み合わせる形で授業を進めています。そこにも工夫を施して、例えば午前の授業は家からオンラインでアクセス、午後の実習は大学に来て、教室を分けて人数をできるだけ少なくしながら行ったり、遠方から通ってくる学生には、大学内に人と間隔をとって座れる部屋を用意し、午前のオンライン授業はそこで受けてもらい、午後の実習に参加してもらったりといういくつかのケースを用意しています。
  このように家またはキャンパス内の教室で受ける遠隔授業と、人との距離を保ちながら機材を使ったりディスカッションをしたりしながら進める実験・実習とを混合で始めているのが今期の後期授業です。とはいえ、明確に申し上げておきたいのは、この形はあくまでもひとつの回避策であるということです。大学は、学生の皆さんが知識・技術を身に付けるとともに、人と人とがコミュニケーションを取り、友情をはぐくみながらともに学ぶ場であると考えています。東京工科大学は、学生さんの健康や安全に十分に配慮しながら、変化に柔軟に対応し社会で活躍できる人材を育てる場としてキャンパスを用意しています。

  では、どうして大学は全面的に対面授業を始めないのか。そういうご意見も多々いただいていますが、やはり、大学生は小中高校生と異なり、行動範囲が広いうえ、社会に関わる機会が多く、その分、与える影響も多いからです。率直に言えば、今、学内である程度、安全を確保して授業ができたとしても、学生同士が集まると大勢でおしゃべりをしたり、騒いだりすることもあるでしょう。それ自体は学生の皆さんの成長にとってとても大切なことですが、もし今、大学が普通に始まれば、多くの人は元の生活に戻ったという感覚になり、大勢で集まることに感染リスクがあるという認識が薄れていく恐れもあります。
  大学は社会に対して責任ある選択と行動をしなければなりません。こういう時代ですから、感染防止を伴う社会生活に慣れながら、段階的に対面授業の形に戻していくなど、良い道を探っていく必要があるのです。そのためには、ある程度の“助走期間”が必要であり、今がその時期だと思っています。   しばらくはこうした形をとって、より適切な環境を整備しつつ、社会の状況を見ながら新しい学びのスタイルをつくっていきたいと考えています。