大山学長のホッとブレイク

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学長コラム第12回「情報との付き合い方とグローバル教育」

2022年3月25日掲出

 こんにちは、学長の大山です。今年度の最終話となる今回は、情報との付き合い方についてお話ししたいと思います。

 現在、情報は手軽にたくさん手に入るようになりました。昔は主にテレビ、ラジオ、新聞くらいしか情報源がありませんでしたが、今はインターネットを通して、いつでも大量の情報をすぐに入手できます。ブログやツイッターなど、手軽に情報発信できるのはよいことですが、情報過多で、どれが正しい情報なのかわからず、何を信じるかという選択を迫られることも少なくありません。また、例えば、SNSやオンラインショップで何かを閲覧したり購入したりすると、自分が関わった情報にまつわる情報が集まるような仕組みになっていますよね。あれは少々、危険に感じますし、余計なお世話だと言いたくもなります(笑)。逆に言えば、そういう世の中だと理解したうえで、さまざまな情報と付き合わなければならない時代なのです。
 情報と言えば、私はしばらく前から、NHK BSプレミアムの国際放送を見るようになりました。世界各国のニュースの概要を同時通訳で放送している番組です。ここ1年は、新型コロナウイルス関連の話題ばかりで、アメリカやイギリスでどんなコロナ対策がなされているといったニュースが中心でした。最近はそういう話が減って、例えばドイツで起きた洪水やアメリカでの火災といった色々なニュースが入ってきています。なかなか地上波のニュース番組やデジタルのニュース情報では扱わないような世界の情報を知ることができるので、意識して見るようにしています。
 もうひとつは、BBC(英国放送協会)のポッドキャストです。割とわかりやすい英語で話してくれますし、聞き流すには最適です。テキストスクリプトもあるので、それを読みながら、音声を聞くことができます。あとはVOA(Voice of America)も聞いています。私がアメリカ留学時に知ったものですが、帰国後、日本でもインターネット経由で聞くことができるとわかり、今も聞いています。こちらも割とわかりやすい英語で、スクリプト付きの解説があります。またVOAには、英語のレベルに合わせたプログラムがあって、中学生レベルの簡単な英語をスクリプト付きで話してくれるものもあります。今の世界的なトピックスがわかりやすく解説されているので、そういう情報を入手する価値はあるでしょう。
 情報は便利ですが、そこには必ず発信者の意図が入っています。ですから色々なニュースソースから情報を得て、その中から自分なりにセレクトすることが大切です。できれば1つのトピックに対して、2つ以上の情報源にあたり、その違いをきちんと見極めることが必要だと思います。そういう意味では、海外メディアが日本のことをどう扱っているかということも知ることができるので、国際放送は非常に参考になりますよ。

 また、海外の情報が手軽に入ってくる時代ですから、学生は英語に対する苦手意識を持たずに、簡単なところから少しずつ学んでいってほしいですね。私自身、英語は苦手でしたが、結局、理工系は英語の技術書を読む必要がありますし、最新の研究論文や文献は英語で書かれているため、英語が理解できないと仕事になりません。ですから大学入学後も卒業後も英語に関わらざるを得ないのです。すらすらと英語が話せるというレベルを求めているわけではなく、少しずつでも学んで、忘れないように、嫌にならない程度に触れ続けてほしいと思います。
 もちろん、大学の教育や環境としても、これから本学ならではの取り組みをつくっていきたいと考えています。できることならば、学生が海外で就労体験をしてくる「海外コーオプ教育」ができたら素晴らしいと思っています。それ以前に本学に学びに来る留学生の数を増やし、学内を英語に限らず、様々な外国語の会話が盛んに聞こえてくるような環境にしていきたいです。今ある語学教育プログラムだけに頼るのではなく、大学全体でそういう雰囲気をつくっていこうと考えています。
 今年度の私のコラムはこれで終わりです。1年間、お付き合いをありがとうございました。4月にキャンパスで会えることを、楽しみにしています!