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大学院バイオニクス専攻修士2年の江嶋俊哉さんが「第65回 日本薬学会関東支部大会」で優秀発表賞を受賞

2021年9月28日掲出

 2021年9月11日(土)にオンラインで開催された「第65回 日本薬学会関東支部大会」において、大学院バイオニクス専攻修士2年の江嶋 俊哉さんが優秀発表賞を受賞しました。
 日本薬学会関東支部大会は、関東地区の大学、企業・公的機関、病院・薬局に所属する若手研究者の研究活動の活性化と研究者間の交流拡大を目的としており、今回は「創薬科学・臨床薬学のニューノーマル(新常態)」をテーマに開催されました。

【受賞情報】
受賞者:江嶋 俊哉さん(大学院バイオニクス専攻修士2年)
指導教員佐藤 淳教授
受賞名:優秀発表賞
受賞研究タイトル:脊髄損傷時の神経再生阻害因子(CS-E)に対するヒト血清アルブミン融合ヒトラクトフェリンの増強した神経保護
発表内容:脊髄損傷とは、脊髄が損傷し、その損傷部位から放出されるコンドロイチン硫酸Eユニット(CS-E)によって神経再生が阻害され、神経が障害される状態をいう。したがって、CS-Eの神経再生阻害をブロックすることができれば、脊髄損傷に対する有用な治療法となり得るが、現在のところ、このような医薬品は開発されていない。我々はヒトラクトフェリン(hLF)がCS-Eに結合して、CS-Eの神経再生阻害を強力にブロックすること、すなわちhLFの脊髄損傷治療薬としての可能性をすでに見出し、報告している(Nakamura M. et al., Biochem Biophys Res Commun. 2021)。本学会では、hLFの血中安定性を向上させるhLFとヒト血清アルブミン(HSA)との融合タンパク質(hLF-HSA、Ueda K. et al., Eur J Pharm Sci., 2020)は、hLFと比較して、CS-Eによる神経変性を、さらに効果的に再生することを見出し、発表した。
受賞者のコメント:現在、脊髄損傷には推奨すべき治療法が存在しない状況であるため、ヒトラクトフェリン(hLF)の新規脊髄損傷治療薬としての可能性が示された事は大変意義深いことであると痛感しています。本学会では、hLFにヒト血清アルブミンを融合させると、hLFの効果がさらに増強されることを発表して受賞することができました。一緒に研究している研究室メンバーには感謝しており、この受賞を糧に、これからも研究を頑張っていきます。


■第65回 日本薬学会関東支部大会 WEB:
http://shibu.pharm.or.jp/kanto/shibutaikai_65/contents/info_yuushuu.html

■大学院バイオニクス専攻WEB:
https://www.teu.ac.jp/grad/bs/index.html