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大学院バイオ・情報メディア研究科の小川玲音さんが「第200回コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学研究発表会」にて学生発表賞を受賞

 
2025年12月22日掲出

 2025年11月6日(木)・7日(金)に島根県松江市「松江テルサ」で開催された「第200回コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学研究発表会(CGVI/CVIM/DCC/PRMU共催)」において、本学大学院バイオ・情報メディア研究科 コンピュータサイエンス専攻の小川 玲音さん(ヒューマンインタフェース研究室・井上研究室所属)が、学生発表賞を受賞しました。
 本研究会は、情報処理学会の3研究会(CGVI/CVIM/DCC)と電子情報通信学会のPRMU研究会が合同で開催する国内有数の発表の場であり、画像処理、コンピュータビジョン、デジタルコンテンツ、画像認識AIなどの分野における最新の研究成果が報告されました。本賞は、その中から特に将来性や独創性が高く評価された学生の発表に対して授与されるものです。

■受賞研究の概要
研究の背景と目的:現在のVRコントローラー研究においては、剣や銃といった「実在する道具」をいかに忠実に再現するかが主なテーマとなっており、その評価も実体験との比較が中心でした。これに対し、小川さんはSF作品やアニメ等に登場する「アームキャノン(腕と銃器が一体化した武装)」に着目しました。アームキャノンは架空の武器であり、発射前にエネルギーを蓄積する「チャージ」演出などが特徴的ですが、実物が存在しないため、従来の「実物との比較」による評価手法は成り立ちません。
そこで本研究では、未知の体験である「アームキャノンをチャージしている感覚」や「腕と武器が一体化している感覚」を、どのような触覚アプローチによってリアリティのある体験として提示できるかを研究の中心的な問いとして設定しました。

開発デバイス「Canntlet(キャントレット)」:この検証のため、小川さんは前腕装着型VRコントローラー「Canntlet」を開発しました。このデバイスは、VRゲーム内での発砲動作やチャージ演出と連動し、ユーザーの腕を物理的に圧迫したり、圧迫位置を移動させたりする触覚提示を行います。これにより、視覚情報だけでなく身体感覚に直接訴えかけることで、架空の武器の使用感をリアリティ豊かに表現することに成功しました。

受賞のポイント: 本研究は、視覚だけに頼らず、身体感覚を巧みに活用した新しいVRインタフェースの可能性を提示した点、および現実には存在しない対象のリアリティを追求するという独創的なアプローチが高く評価され、今回の受賞に至りました。
なお、小川さんは1年前(2024年)の同研究会でも学生発表賞に選ばれており、2年連続の受賞となります。

小川 玲音さん

■第200回コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学研究発表会 学生発表賞 受賞者一覧:
https://cgvi.jp/info/student-award/#200

■コンピュータサイエンス学部WEB:
https://www.teu.ac.jp/gakubu/cs/index.html

 

■井上研究室(ヒューマンインタフェース研究室):
https://www.teu.ac.jp/info/lab/project/com/dep.html?id=166