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メディア学部の学びの環境をフル活用して、CGクリエーターという夢を叶える!

2012年11月9日掲出

メディア学部4年 本間大輔さん 藤田広香さん

メディア学部4年 本間大輔さん 藤田広香さん

■学びと出会いを与えてくれたプロジェクト演習

 大学入学当初からCGクリエーターになることを目標としてきたという、メディア学部4年の本間大輔さんと藤田広香さん。二人は、国内大手アニメプロダクションに就職内定を決め、来春からプロのCGクリエーターとして歩み始める。
本間さんがCGの世界に興味を持ったのは、あるアニメーション作家との出会いがきっかけだった。「新海誠さんというアニメーション作家で映画監督の作品を見て、自分もCGをつくってみたいと思ったんです。それで大学でもCGを学べる東京工科大学のメディア学部を選びました」。一方、専門学校でCGを学び、2年生からメディア学部に編入した藤田さんのきっかけはゲーム。「中学2年の時に『KINGDOM HEARTS』のオープニングCGムービーを見て、すごく感動したんです。人にここまで感動を与えるCG映像を自分でもつくってみたいと思って、専門学校でCGを学びました。ただ、CGの技術だけでなく教養も学びたくなったのと、この大学にはモーションキャプチャスタジオなど最先端設備が揃っていたことから、大学への編入を決めたんです」。

メディア学部4年 藤田広香さん

そんな二人が入学後、特に印象的だったと語るのは、メディア学部の学びの特長といえる“プロジェクト演習”。1~3年次の学生が一緒になってプロジェクトを体験する演習で、さまざまな専門性の高いテーマが用意されている。本間さんは、1年次でCGアニメーションのプロジェクト演習を選択し、CGアニメーションの企画から制作、完成まで、一連の流れを学んだ。そして2年次には、より専門的な「USC-KI」というプロジェクト演習を選択。編入したばかりだった藤田さんも同様に、このプロジェクトに参加した。当時の「USC-KI」は、学生たちがチームに分かれてCGアニメーション作品を制作し、提携関係にある南カリフォルニア大学で作品発表をするという内容。単に作品をつくるだけでなく、海外でも通用する作品をつくるというワンランク上の目標達成を要求されるプロジェクトだっただけに、二人は苦い経験をしたと振り返る。「このプロジェクトは、まさに波乱万丈でした。“外国人が見て喜ぶものって何だろう?”という企画段階で詰まってしまって、制作にさく時間がかなりタイトになったんです」(本間さん)。「私は背景やモデルの制作を担当したのですが、スケジュールや企画の都合で、制作したものが一切使われずに終わってしまって、がっかりしたことを覚えています」(藤田さん)。限られた時間の中、一定のクオリティを保った作品をチームでつくり上げることの難しさを体験した二人だったが、その分、収穫もあったという。「私は編入したばかりで、当時は知り合いがまったくいない状態でした。でもこのプロジェクト演習で、先輩や先生とつながりを持てたことは大きな成果でしたね。それからチームで制作するということは、自分からチームにとって何が必要かを考えて動くことが大切になってくるということも学びました」と藤田さん。一方、本間さんはこう話す。「僕は作品上映のために訪れた南カリフォルニアでの経験が大きかったです。とりわけソニー・ピクチャーズ・イメージワークスに見学へ行けたことは、すごい経験。それまではCGデザイナーになれたらいいやくらいに思っていたんですが、現地で働く日本人の方に会えたことで、海外で働いてみたいとか、海外に通用する作品をつくってみたいというモチベーションアップにつながりました」。

メディア学部4年 本間大輔さん

また、プロジェクト演習の拠点となっているキャンパス内のコンテンツ・テクノロジー・センター(CTC)では、二人の将来を左右する出会いもあった。CTCで研究する大学院生と親しくなった本間さんが、その先輩からCG制作会社で活躍するCGデザイナー(ないしは、現場で活躍するCGデザイナー)の主催する若手CGデザイナーを育成するセミナーに参加しないかと誘ってもらったのだ。「当時、僕は大学の学びの幅広さを実感しつつも、反面、技術的には専門学校などで学んでいる人より劣っていると感じていました。将来、CGで食べていきたいなら、技術力がなければ絶対に無理。だから何かスキルアップの方法はないかと模索していたとき、先輩からプロに技術を教えてもらえるという、この話をもらったんです」。本間さんは、同じくスキルアップを望んでいた藤田さんを誘い、参加を決める。大学内で外部との強い繋がりがある先輩と出会えたことは、本当にラッキーだったと話す本間さん。藤田さんも「CGの世界は就職の時、個人制作した作品で評価されるので、そのためのスキルアップにはうってつけのお誘いでした。こういう機会をつくってくれた先輩と本間君に感謝です」と、にこやかに語った。

■CG映像制作と社会貢献を結び付けた卒業研究

 今、本間さんと藤田さんは「ソーシャル・コンテンツ・デザイン」の研究室で、複雑な形状を持つシュタイナー建築のひとつ「ゲーテアヌム」の3DCG復元という卒業研究に取り組んでいる。「シュタイナー建築を3DCGでつくって、インタラクティブに動かしたり動画でその内部を見せたりできるウェブサイトを制作しようと頑張っています。ウェブサイト制作は、大学の授業でhtmlやプログラミングを学んできたので、その集大成的な意味もあります」と藤田さん。卒業研究を通して、CG映像制作の考え方に広がりを感じているという。「もともとこの研究室には、ソーシャルコンテンツで社会貢献をするという目標があります。例えば、今回、シュタイナー建築を3DCGで紹介しようと取り組んでいるのも、この建築を造ったドイツの思想家ルドルフ・シュタイナーが提唱する、子供の自主性を尊重したシュタイナー教育を知ってもらうきっかけにしようという狙いからです。日本の義務教育とは違った視点を持つシュタイナー教育を紹介することで、今、日本で起きている色々な教育問題の解決の糸口になればという目的があるんです。この卒業研究自体は小さな取り組みですが、それを発信することで何らか社会に影響を与える可能性があるかもしれません。そういうものを制作するのは初めての経験なので、とても楽しいです」。一方、本間さんも「今までは映像をつくるという視点でしかなかったのが、その先に社会貢献を考えられるようになって視野が広がった気がします。単にCG映像をつくるだけでなく、そこからどういう影響が生まれるかを考えることも大切だなと実感しました」と話した。

<藤田広香さん作品>
ゲーテアヌムの外観(卒業研究に向け制作途中)

ゲーテアヌムの外観(卒業研究に向け制作途中)


<本間大輔さん作品>
(左)千と千尋の神隠しのモデルになった豎崎路(台湾九份)
(右)水路に面するレストラン(イタリアベニス)

千と千尋の神隠しのモデルになった豎崎路(台湾九份)
水路に面するレストラン(イタリアベニス)


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■夢の実現を支えるのは“やる気”と“折れない心”

 メディア学部の学びや環境、人との出会いを存分に活かしながら、目標に向かって努力を続けてきた本間さんと藤田さん。これまでの学生生活を振り返りつつ、後輩へのメッセージを語ってもらった。「メディア学部では、自分が学びたかったCGだけでなく、それ以外の考え方を養うような教養を学べたことが良かったです。ただ、何を学ぶにしても、最終的には自分のやる気が一番大切。それがないと大学の設備や学びの機会もフルには活かせないと思います。僕には最初から目標があったので、それに向かって何をすべきか考えて過ごした4年間でしたが、もし目標がなくても、興味があればどんどんチャレンジすることですね。学べる機会はあるので、あとは行動力です!」(本間さん)。「この大学には、Mayaという3DCGソフトが取り入れられていたり、モーションキャプチャスタジオがあったりと最先端の設備があります。それに現役のクリエーターが教員として指導してくださることもあり、学ぶ施設は素晴らしいです。ただし、学校が用意してくれた授業をこなせばクリエーターになれるという甘い世界ではないことも確か。目標に向かう途中で何度も挫折することがあると思いますが、何事も気持ちの持ちようですから、折れない心を持って自ら学ぶ姿勢でいることが大切だと思います」(藤田さん)。
本間さんの夢は、人の心に残るようなCG映像作品をつくって、世界中の人に見てもらうこと。藤田さんは、誰もがその映像を見れば、うれしくなったり温かい気持ちになったりできる作品をつくること。メディア学部から巣立つ二人が、今後、CGクリエーターとしてどんな活躍をし、どれだけ多くの感動を与えてくれるのか、期待が膨らむ。

■メディア学部WEBサイト
https://www.teu.ac.jp/gakubu/media/index.html

・次回は12月14日に配信予定です。