ぞうロボットについて
「競技フィールドの中心部から一番離れたエリアから得点を狙うロボットで、11本のポールすべてにリングを素早く、正確に投げ入れる能力が求められます。今回製作したロボットは、モーター駆動の操舵であらゆる方向に俊敏に移動できる『駆動操舵式全方向移動機構』をチームとして初めて採用し、これまでの本学の課題だった高速化を実現しました。そのほか自動操縦やリング射出速度の自動制御など、操縦者の負担を軽くしながら確実に得点を重ねるための、先進的な技術を全身に搭載しています」 (梅村)
POINT1 射出機構
「ポールの位置などを検知するセンサーのデータをもとに、自動で照準を合わせてリングを飛ばします。動力には応答性の良いモーター2基を用い、遠方のポールも狙うことができます。リングを乗せる皿の形状や素材を何度も変更し、動画による動作解析を重ねて、精度に磨きをかけました」 (安達)
POINT2 回収機構
「試合開始とともに、フィールドに立てて置いてあるリングの束に棒を通すように機体を走行させ、10本以上のリングをまとめて取り込むことができます。回収の安定性とスピードの両方に優れ、大会本番の2つの試合では、期待通りほぼパーフェクトな働きをしてくれました」 (梅村)
POINT3 装填機構
「回収後、機体の中で横向きに重なっているリングを、1つずつ射出用の皿の上に送り出す機構です。最上部の1本だけを2つの爪が付いたパーツで押し出すのですが、確実に動作させるためには非常に微妙な調整が必要で、残念ながら本番ではトラブルに悩まされました」 (安達)
POINT4 移動機構
「4輪の向きをモーターで変えられる『全方位移動機構』を初めて実装しました。これにより高速化が図られる一方、手動での運転制御が難しくなるため、自動操縦技術を組み合わせています。本番では、センサーの不調で本来の性能を披露できませんでしたが、来年以降のロボットにきっと生かせるはずです」 (梅村)
優勝を目標に、2台のロボットを製作
今回の輪投げゲームは、「ぞう」と「うさぎ」の2台で競います。私たちは、初優勝を目標に緻密な戦略を立てたうえで、本学らしい独創性ある機体を作り上げました