NHK学生ロボコン2021_ロボット紹介

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頂点をめざして開発されたロボットの特長や注目の機構などを紹介します。

NHK学生ロボコン2021出場ロボットの紹介

NHK学生ロボコン2021では、矢をポットに投げ入れて得点するスローイングロボット(TR)と、敵の矢が壺に入るのを防ぐディフェンスロボット(DR)の2種類のロボットを各校が製作して競技が行われました。

スローイングロボット(TR)について

スローイングロボット(TR)
スローイングロボット(TR)
スローイングロボット(TR)
スローイングロボット(TR)
スローイングロボット(TR)

 スローイングロボットにまず求められるのは、狙ったポットに高精度に矢を投げ入れる能力です。開発当初はローラー式の射出機構を考えていましたが、試作機のテストで良い結果が出ず、設計を全面的に変更して圧縮空気を用いる方式を採用。これにより、射出精度は飛躍的に向上しました。本機は、大きな歯車による方位角調整機構と円弧型の仰角調整機構を備えるのに加え、圧縮空気の圧力を変更することもでき、同じ位置から違うポットを狙うことが可能です。また、ラックの矢をスムーズに装填できる独自の機構や、ポットを狙う位置に自動で正確に移動するための測距センサーも装備しています。プロジェクトRが長年培ってきた技術と経験を生かし、多くの改良を重ねることで、信頼性の高い機体となりました。

ポイント1空圧射出機構

ステンレス製パイプを矢の尾部から差し込み、内部に圧縮空気を送ることで吹き矢のように射出します。飛距離をコントロールするためには、仰角と圧縮空気の圧力を調整することが必要ですが、射出のパラメーターを見つけるのに苦労しました。

ポイント2回収機構

ラックに設置された矢を、エアシリンダを用いた機構により機体に回収・装填します。5本の矢の尾部に圧縮空気を送るパイプを正確・迅速に差し込むために、機体前部が大きく前後にスライドする仕組みは、他チームに見られない本機独特のものです。

ポイント3旋回機構

機体の上半身全体を左右に旋回させることで、移動せずに狙うポットを変更可能とする機構です。主要部品である直径375㎜にもなる大きな歯車は、学内にある大型の工作機械を利用して自作しました。

スローイングロボット(TR)

ポイント4照準器

ロボットが自動で照準を行ったあとに微調整を行う際に使用します。敵のディフェンスロボットによって動かされたポットに対しても照準を行うことができ、正確に矢をポットに入れることが可能です。

スローイングロボット(TR)

ディフェンスロボット(DR)について

ディフェンスロボット(DR)
ディフェンスロボット(DR)
ディフェンスロボット(DR)
ディフェンスロボット(DR)
ディフェンスロボット(DR)

 矢の標的となるポットには、固定式のⅠ型と、回転テーブル上に載るⅡ・Ⅲ型があり、ディフェンスロボットの役割はこれらに相手の矢が入らないように防御することです。本学のロボットは、回転テーブルを動かして相手の矢がポットに入るのを防ぐ2種類の機構と、ポット上で矢を振り回して飛んで来る相手の矢をブロックする機構を装備。試合状況に合わせて、これらを臨機応変に使い分けることができます。また、防御だけでなく、自ら矢を射出する機構を備えているのも特長。これにより、試合開始の直後、相手の防御態勢が整う前に矢を射出し、いち早く得点を狙うことができます。小型・軽量化と優れた防御力の両立という難題をクリアし、最終的に制御が容易なシンプルなロボットとして完成しました。

ポイント1I型ポット防御機構

矢をつかんだアームをポット上で回転させ、飛んできた相手の矢を弾き飛ばします。材料は主にアルミフレームですが、一部に3Dプリンターで作製したパーツを使用することでデザイン性や視認性を高めました。

ポイント2ハンドル把持機構

II・Ⅲ型ポットに相手の矢が入るのを防ぐために、回転するポットテーブルのハンドルをつかむ機構です。材料に3Dプリンターパーツとプラスチックの一種であるPOM(ポリアセタール樹脂)を使用して軽量化を図っています。

ポイント3空圧射出機構

スローイングロボットの射出機構を参考にして開発された、圧縮空気を用いて矢を飛ばす機構を実装しています。矢の着弾位置はいくつかのパラメーターによって決まるのですが、それぞれのパラメーターの調整には多くの試行錯誤が必要でした。

ポイント4巻き込み防止プレート

本番を想定した練習を重ねる中で、落ちている矢を巻き込まないようにする必要があることが分かり、開発途中で追加された装備です。3Dプリンターパーツやプラスチック段ボール、ABS樹脂プレートで作られており、破損してもすぐに対応可能です。

巻き込み防止プレート

ロボット製作を支える充実した環境・設備

高性能なロボット製作に欠かせない各種工作機械を、ゆとりある空間に多数配置しています。

実験棟A_工場八王子キャンパス

ロボットの空圧射出機構等の部品を製作

備え付け機材
操作型NCフライス盤
操作型NC旋盤 ほか
実験棟A_工場

操作型NCフライス盤

操作型NCフライス盤
フライス盤で加工したTR部品の一部
フライス盤で加工したTR部品の一部

操作型NC旋盤

操作型NC旋盤
旋盤で加工したTR部品の一部
旋盤で加工したTR部品の一部

研究棟C_工作室1八王子キャンパス

ロボットの旋回機構等の部品を製作

備え付け機材
ワイヤーカット放電加工機
4軸CNC加工機 ほか
研究棟C_工作室1

ワイヤーカット放電加工機

ワイヤーカット放電加工機
ワイヤーカット放電加工機で加工したTR部品の一部
ワイヤーカット放電加工機で
加工したTR部品の一部

4軸CNC加工機

4軸CNC加工機
4軸CNC加工機で加工したTR部品の一部
4軸CNC加工機で
加工したTR部品の一部

研究棟C_工作室2八王子キャンパス

ロボットの回収機構等の部品を製作

備え付け機材
レーザー加工機
プリント基板加工機 ほか
研究棟C_工作室2

レーザー加工機

レーザー加工機
レーザー加工機で加工したTR部品の一部
レーザー加工機で加工した
TR部品の一部

プリント基板加工機

プリント基板加工機
プリント基板加工機で加工したTR部品の一部
プリント基板加工機で加工した
TR部品の一部