NHK学生ロボコン2022_ロボット紹介

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大会で「技術賞」に輝いた本学のロボットをご紹介します。

NHK学生ロボコン2022出場ロボットの概要

NHK学生ロボコン2022では、ボールの射出を担う「R1」と、ボールの回収やラゴリ(円形ディスク)の積み上げを行う「R2」という2種類のロボットを駆使して勝敗を競いました。

R1ロボットについて

R1ロボット
R1ロボット
R1ロボット
R1ロボット
R1ロボット

 R1には二つの役割が求められます。一つはラゴリを積み上げて得点を獲得するラウンドにおいて、最初にラゴリの塔にボールを当てて崩す役割。もう一つは、攻守交代後、ラゴリを積み上げようとする相手のR2に載っている「ボールオンヘッド」を打ち落とす役割です。本機は、R1に求められる正確なボール射出能力を実現するために、ローラー式の高精度な射出機構を開発。LiDAR(ライダー)と呼ばれるレーザー光を用いる測距センサーも実装することにより、射出角度の自動制御も実現しました。さらに高速で安定したボール持ち上げ機構など、実戦を想定した高度な性能をバランス良く備えた機体となっています。

ポイント1射出装填機構

3つのローラーを使用した構造によりブレのない安定したボール射出を実現しています。ローラーの主要パーツは、ボールと接触するウレタンがずれない形状を検討し、3Dプリンターで自作。ボールをローラーに装填する押出部の構造にも工夫を施し、2球連続の高速射出を可能にしています。

ポイント2仰俯角方位角調整機構

射出機構の上下左右の動作角度を高精度に制御することにより、フィールド上のほぼ全範囲を射程に収めることが可能です。機構を支持するパーツには、あらゆる方向の荷重を受け止めることのできる「クロスローラーベアリング」を採用し、機体の軽量・小型化を図っています。

ポイント3ボール持ち上げ機構

R2ロボットから渡されたボールを、ベルトの回転により垂直に運び上げて射出装填部に送る機構です。シンプルな構造ながら、複数のボールをスピーディに安定して持ち上げることが可能です。

ポイント4LiDAR(ライダー:測域センサ)

離れた場所にある物体までの距離をレーザー光により精密に測定できる「LiDAR」というセンサーを実装し、ボールの射出角度の自動制御を実現しました。本学として初めて導入したこのセンシング技術は、大会本番で相手のボールオンヘッドを撃ち落とすうえで大いに威力を発揮しました。

LiDAR

R2ロボットについて

R2ロボット
R2ロボット
R2ロボット
R2ロボット
R2ロボット

 R2は、R1が崩したラゴリを元通りに積み重ねる役割に加え、攻守交代したラウンドにおいてはボールラックからボールを回収してR1に渡す役割も担います。本学のR2は、ラゴリを積み重ねているときに相手の標的になる「ボールオンヘッド」を載せた部分が、相手から離れた場所に移動できる「展開」機構を備えている点が大きな特長です。また、効率の良いラゴリ回収・積み上げ機能も有しており、確実な得点能力と攻撃に対する防御力を高次元で両立させた機体となっています。多様な機構を統合したうえで実戦に耐え得る信頼性を確保するという高難度の課題をクリアした本機は、大会本番では実装したすべての機構がスムーズに動作し、本学チームの快進撃を支えました。

ポイント1ラゴリ積み上げ機構

サイズの異なる3つのハンドを持ち、複数のラゴリを同時につかんで任意の高さに持ち上げることができます。運転は半自動化されているため操縦者の負担を大幅に軽減しつつ効率的な得点獲得が可能。2試合連続パーフェクト(75点獲得)勝利に大きく貢献しました。

ポイント2ボール回収機構

フィールド内のボールラック上のボールをすばやく回収するために、本学チームが採用したのは、走行しながら3つのボールを棒でかき寄せるようにして取り込むダイナミックな方法です。動作の安定性は極めて優秀で、大会本番では100%近い回収成功率を達成しました。

ボール回収機構

ポイント3ボール射出機構

ボールラックから回収したボールをR1に渡すために、1メートルほど飛ばす機構です。離れた場所からボールを受け渡すことで、時間を短縮しながら機体同士が接触するリスクも軽減できます。

ポイント4展開機構

ラゴリの積み上げ中にR2上のボールオンヘッドを落とされると、その時点で試合終了となります。この対策として本機は、ボールを載せた機体の一部が本体から離れた場所へ「展開」する機構を実装。その距離はロボコン史上最長レベルの約7メートルで、展開部の自走も可能です。

ポイント5ラゴリ倒し機構

フィールド上のラゴリをハンドでつかみやすくするために、アクチュエータ操作でラゴリの向きを変える機構です。どのような状況でも確実に高得点を狙うために、本学は開発の初期段階から採用を決定。想定通り実戦で大いに役立ちました。

ラゴリ倒し機構

ポイント6移動機構

全方向へのスムーズな移動を可能にする「メカナムホイール」という特殊な車輪を採用しています。一部パーツの作成に、ワイヤーカット放電加工機や4軸CNC加工機など、八王子キャンパス工作室にあるさまざまな工作機械を活用しています。

移動機構

ロボット製作を支える充実した環境・設備

高性能なロボット製作に欠かせない各種工作機械を、ゆとりある空間に多数配置しています。

実験棟A_工場八王子キャンパス

ロボットの空圧射出機構等の部品を製作

備え付け機材
5軸マシニングセンタ(ロボドリル)
操作型NC旋盤 ほか
実験棟A_工場

5軸マシニングセンタ(ロボドリル)

5軸マシニングセンタ(ロボドリル)
5軸マシニングセンタ(ロボドリル)で加工したR2部品の一部
5軸マシニングセンタ(ロボドリル)で加工したR2部品の一部

操作型NC旋盤

操作型NC旋盤
旋盤で加工したロボットR2部品の一部
旋盤で加工したR2部品の一部

研究棟C_工作室1八王子キャンパス

ロボットの展開機構等の部品を製作

備え付け機材
ワイヤーカット放電加工機
4軸CNC加工機 ほか
研究棟C_工作室1

ワイヤーカット放電加工機

ワイヤーカット放電加工機
ワイヤーカット放電加工機で加工したロボット部品の一部
ワイヤーカット放電加工機で
加工したR1部品の一部

4軸CNC加工機

4軸CNC加工機
4軸CNC加工機で加工したロボット部品の一部
4軸CNC加工機で
加工したR1部品の一部

研究棟C_工作室2八王子キャンパス

ロボットの回収機構等の部品を製作

備え付け機材
レーザー加工機
プリント基板加工機 ほか
研究棟C_工作室2

レーザー加工機

レーザー加工機
レーザー加工機で加工したR1部品の一部
レーザー加工機で加工した
加工したR1部品の一部

プリント基板加工機

プリント基板加工機
プリント基板加工機で加工したR1部品の一部
プリント基板加工機で加工した
加工したR1部品の一部