Center for Human Movement (ヒューマンムーブメントセンター)

医療保健学部 乙戸崇寛, 斎藤寛樹, 伊藤咲子, 溝口靖亮

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トップメッセージ

ヒューマンムーブメントセンター 概要図

人の様々な活動は、座る、立つ、歩く、走るなどの機能的運動やスポーツなどの特異的な運動などさまざまな要素から構成された複雑なシステムです。
その根底にある基本的な各関節の運動(ムーブメント)や関節運動によって表現される機能的運動の改善をとおして健康増進や障害予防、アスリートの競技力の向上を目指すことをテーマにしたのがヒューマンムーブメントセンターです。

プロアスリートは勿論、子供から高齢者まで幅広い年齢層を対象とし、動作解析装置や筋活動などから得られた生体情報を人工知能(AI)を用いて包括的に評価し、最大限のパフォーマンスが発揮できるよう「動き」の改善をはかる方法を開発・提案することを目的とします。

そのために、人の動きを分析できる精度の高い解析機器を用いて対象者の動きを屋内外で計測します。またムーブメントを支える要素には、体の健康のみならず心の健康も重要です。トータルヘルスを支えるには十分な栄養や休憩・睡眠も必要です。このように代謝や神経系など複合的な機能の解析、その結果のフィードバックを行い、多面的な視点から対象者のパフォーマンスを最適化します。

私たちは蒲田の地理的な利便性の高さを活用し、国内外からのトップアスリートの支援や運動機能の面から健康支援を職業として考えている若者に、このヒューマンムーブメントセンターでの学びの機会を提供します。

ヒューマンムーブメントセンター 活動内容

活動報告

ヒューマンムーブメントセンターの活動紹介

活動紹介2025年6月9日

センター教員の斎藤と伊藤が、科研費基盤C(4,680千円 )と科研費若手(4,680千円 )をそれぞれ獲得しました。

スポーツ障害予防に向けたファンクショナルムーブメントの再構築:概念の科学的検証へ(斎藤)
本研究では、ファンクショナルムーブメント(スクワット、ランジ、体幹前屈など)の質を評価し、その上にパフォーマンスやスポーツ技術が積み重なるピラミッドモデルの検証を目的とします。具体的には、機械学習を活用して複数の動作間に共通する筋活動パターンを特定し、パフォーマンス動作を的確に反映する基本動作を明らかにします。また、その評価に基づく介入効果を検証し、選手生命に影響するスポーツ傷害を効果的に予防する枠組みの構築を目指します。

膝前十字靭帯損傷後の中枢神経系の運動制御定量的評価指標・予防プログラムの開発(伊藤)
本研究では、膝前十字靱帯(ACL)損傷の予防を目的に、筋電図を用いた神経・筋協調性の新たな評価指標(Co-contraction Index,筋シナジーやSilent period)を検討し、中枢神経系による運動制御機能の解明を目指します。これにより、より安全かつ効果的なスポーツ復帰支援や再発予防に貢献する革新的なプログラムの構築を目指します。

活動紹介2025年6月9日

副センター長の斎藤の研究論文が、Journal of Bodywork & Movement Therapies(IF 1.6)に掲載されました。

Comparing Muscle Coordination Patterns in Yoga-Focused Exercises with Those in Standard Stabilization Exercises
ヨガを取り入れた運動は、腰痛などの筋骨格系の問題を改善する可能性が注目されています。本研究では、ヨガを中心とした運動と、一般的な体幹安定化運動との違いを「筋シナジー(複数の筋肉が協調して働くパターン)」の観点から検討し、ヨガの運動がどのように身体に働きかけているのかを調べました。健康な男性11名を対象に、ヨガ運動と標準的な安定化運動を行っている際の筋肉活動を15の筋群から測定しました。そのデータを「非負値行列因子分解(NMF)」という解析手法で分析し、筋シナジーを抽出しました。その結果、ヨガ運動では標準的な運動よりも、より多様な筋シナジーが確認されました(ヨガ運動の中央値9個、標準運動は8個)。特に腰や骨盤周囲の筋群を中心に、ヨガ特有の新たな筋活動パターンが明らかになりました。これにより、ヨガを取り入れた運動は、従来の運動よりも多様で柔軟な筋活動を引き出し、様々な動きや課題に効果的に適応できる可能性が示されました。

活動紹介2025年5月31日

5月29日(木)~31日(土)の3日間、「World Physiotherapy 2025」が東京国際フォーラムで開催されました。臨床家と研究者の垣根を超えて世界中の理学療法士(Physiotherapist)が隔年で集う国際学会です。日本での開催は1999年以来26年ぶりとなり、盛会となりました。乙戸崇寛センター長は、スポーツ理学療法領域においてポスター演題発表「Ultrasound measurement comparison of distal femoral cartilage thickness and hardness between amateur ballet dancers and healthy volunteers(アマチュアクラシックバレーダンサーと健常人における膝関節軟骨の厚さと硬度の比較」(乙戸崇寛センター長、斎藤寛樹副センター長、伊藤咲子センター教員の共同研究)を行い、剪断波超音波エラストグラフィーを膝軟骨の質的評価に用いることにより成長期バレーダンサーの膝関節の障害予防に貢献できる可能性について参加者とディスカッションするとともに、ヒューマンムーブメントセンターの活動についても意見交換をする良い機会となりました。

活動紹介2025年4月11日

センター客員教授の高崎博司先生の研究論文が、Scientific Reports(IF 4.6)に掲載されました。タイトルと研究内容は以下のとおりです。


The Katakori Disability Index has cross-cultural validity for disability due to stiff neck/shoulder across Japan, the US, and Singapore
(Katakori Disability Indexは、日本、米国、シンガポールにおける首・肩こりによる障害の国際的な妥当性を有する)

首や肩のこり(Katakori)は日本でよく知られた症状ですが、国際的にも多くの人が悩まされています。本研究では、Katakoriによる生活障害を評価するために開発された「Katakori Disability Index(KDI)」の国際的な妥当性を、日本、米国、シンガポールの3カ国で検証しました。20〜69歳のKatakoriを有する一般市民を対象に調査を行い、多群同時確証的因子分析(MGCFA)を用いて、部分的な計量的不変性が確認されれば妥当性ありと判断しました。その結果、55の設問のうち26の組み合わせで部分的な計量的不変性が確認され、3カ国においてKDIの国際的妥当性が認められました。また、Cronbachのα係数により内部整合性も検証し、すべての国で高い信頼性(α > 0.9)が得られました。KDIスコアは、シンガポールが最も高く、次いで米国、日本の順となりました。本研究により、KDIは多文化間でのKatakoriによる障害の評価に有効であることが示され、今後の国際的なKatakori研究の基盤となることが期待されます。

研究紹介

ヒューマンムーブメントセンターでは、筋電図、三次元動作解析装置、慣性センサーやGPSなどのモーショントラッキング技術を駆使して、ヒトの動き(ムーブメント)を改善し、健康やアスリートのパフォーマンスを向上させることを目指しています。

動きの改善で健康や競技力の向上を目指すセンター誕生
  • 医療保健学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻
    中山 孝 教授 斎藤 寛樹 助教
  • 動作解析
  • 理学療法
  • 大学の学び

メンバー

乙戸崇寛(教授)

センター長

乙戸崇寛(教授)

  • PhD,理学療法士
  • 専門理学療法士(運動器・スポーツ)
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斎藤寛樹 (講師)

副センター長

斎藤寛樹 (講師)

  • PhD,理学療法士
  • 国際徒手療法士
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伊藤咲子 (講師)

センター教員

伊藤咲子 (講師)

  • PhD,理学療法士
  • アスレチックトレーナー
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溝口靖亮 (助教)

センター教員

溝口靖亮 (助教)

  • MSc,理学療法士
  • 認定理学療法士(運動器)
  • NSCA-CSCS
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高崎博司 (客員教授)

高崎博司 (客員教授)

  • 埼玉県立大学
  • PhD,理学療法士
  • 国際徒手療法士
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佐々木睦 (客員准教授)

佐々木睦 (客員准教授)

  • 東京大学大学院総合文化研究科
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石谷勇人 (訪問研究員)

石谷勇人 (訪問研究員)

  • 広尾整形外科、科長
  • PhD,理学療法士
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内野翔太 (訪問研究員)

内野翔太 (訪問研究員)

  • 株式会社データック
  • PhD,理学療法士
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松下和哉 (訪問研究員)

松下和哉 (訪問研究員)

  • 青葉台たけだ整形外科
  • Msc,理学療法士
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近藤慎也 (訪問研究員)

近藤慎也 (訪問研究員)

  • 株式会社リハサク
  • 理学療法士
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吉田亮太 (訪問研究員)

吉田亮太 (訪問研究員)

  • 読売クリニック
  • Msc,理学療法士
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お問い合わせ

副センター長:斎藤 寛樹 <saitohhrk@stf.teu.ac.jp>

アクセス

八王子駅からお越しの方

JR中央線「八王子」駅南口から
スクールバス約10分
所要時間:約10分 9:00より約10分間隔で運行

八王子みなみ野駅からお越しの方

JR横浜線「八王子みなみ野」駅西口から
スクールバス約5分
所要時間:約5分 9:00より約7分間隔で運行