メディア学部

School of Media Science 八王子

REC.005 chapter.2「企画100本ノック」

2012年10月30日開催

season 1

REC.005 chapter.2
企画100本ノック

―(9)「企画100本ノック」とは、これはご自分に対してですか?

松尾:スタッフみんなでやります。

―どんな感じでやるのですか?

松尾:いろいろなやり方がありますけど、例えばまずタイトルを書いていきますね。一人ずつホワイトボードに書いていって、発表し、口に出して読んで語呂がいいとか悪いとか。人間の頭ってどんどん同じようなことが出てきて、転じて、変な事を考えたり笑ったり。特にタイトルが多いですね。タイトルを決めるのは本当に難しいですね。

―そうですね。しかし、いいものがなぜか出て来る。これは、力が抜けるからですか?

松尾:ダメな方向が分かるからだと思います。なんでピンと来ないのか、この方向がダメなのかということが分かるんですよね。だからだんだんダメなものが消えて行くじゃないですか。

―なるほど、みんなが知恵を出していくなかで消去していくわけですね。

松尾:そうですね。先日もイベントのタイトルを考えていたのですが、延々と決まらない。コンセプトは決まっているのに、何十本も何百本も出していって、3回会議をやっても決まらなくて。で、最後の最後、101本目にぜんぜん違う事を僕が言ったら、それが通ったんです。それも、そこまでの消す過程が必要だったんだと思います。

―みんな同じベクトルを向いてしまうと、長いですよ。

松尾:もちろん101本と言うのは比喩で、実際は62本とかなんでしょうけど、出し尽くした果てに、もうないっていう。野球の比喩で言えば、打てた3割より打てなかった7割の理由を考えたほうが、打率が上がるような気がします。イチローの凡打を研究したほうが企画っぽいというか。

―現在、週一回ペースで企画を上げられているそうですが?

松尾:もちろん通らない事もあるし、修正しなくてはならない時もあります。そういうときも色は混ぜないようにと、いつも思っています。白と黒があったら、グレーと言う結論には持っていかないように、というのはありますね。間で調整したような企画は出さないようにしています。

―上手くいかないと、だんだん調整していきますよね。でも、どこか上手くいっていないものはいくら調整してもだめですよね。

松尾:クライアントやリスナーが本当に求めているものは何かと問い正します。意外と最初のアイデアが面白いことが多いですね。

―松尾さんご自身は、企画について誰かに教わりましたか?

松尾:誰からも教わっていないです。諸先輩の背中を見て覚えるというか…。

―チームワークで現場をやられていて、打てば響くようなことはありますか?

松尾:徐々に上手くはなりますよ。ただ部下も入れ替わりますし、また一から教えなくちゃならないから難しいですよね。僕は、一緒にまず企画書を書きます。ここはこういう風にしようとか、キャスティングはこの人もいいけど、もうちょっと違う感じの方がいないかとか、この方をキャスティングするんだったら、もっと持ち味を出すコーナーを作ろうよとか。

―企画書はどちらで書くんですか?

松尾:会社のデスクです。一人、家でじっくり書く方がいいものを書けそうな気もするんですが、企画を考えるのは雑然としているときの方が思いつきますね。いろんな記憶とかも、誰かに確認できるじゃないですか。だから清書するのは静かなところがいいかもしれないけど、企画は静かである必要もないし、雑談しているような感じがいいですね。

―雑談から名案が生まれることも多いですよね。

松尾:会社でパソコンを開いていると、後ろから見られますよね。人目を気にするというのは、いい意味で気になるというか、見られても恥ずかしくないものを書かなくちゃいけない訳で、それもいいなと思っています。だから家では一切書かないですね。

 

chapter.2 企画100本ノック

松尾健司さん

REC.005 松尾 健司さん
株式会社J-WAVE編成局 制作部長