作業療法学専攻

現場での臨床実習と、
他学部との教育連携で培う問題解決力
作業療法士は、仕事、遊び、日常生活活動といった日々の様々な作業活動に焦点を当てた治療や援助によって、人々のこころとからだの健康・幸福を支援する専門職です。作業療法学専攻の特色は入学後早期から段階的に行われる臨床実習や地域・関係機関との連携教育です。教育効果を上げるよう様々な工夫を凝らした高度な専門教育で、リハビリテーションサービスの充実と発展に貢献する人材を育成します。
東京工科大学作業療法学専攻では
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作業療法学専攻 BLOG
専攻の特長
1実学主義による教育で、将来性のある作業療法士を養成します
海外のある研究によると、今後20年ほどで現在ある職業の半数はコンピューターに代わるといわれています。しかし、この研究で、700ある職業のうち作業療法士は6番目にコンピューターでは代用できない職業とされました。作業療法の「作業」とは対象の方にとって意味と目的があるもので、ある人にとっては着替えをするなどの身の回りのことかもしれませんし、別の方にとっては家族と旅行することかもしれません。このようにその人にとって大切な作業とは、その人の心・体・環境・人間関係・価値観・文化・哲学などによって実にさまざまです。つまり作業療法は、人間を骨や筋肉などの物質的観点から見ようとする見方とは一線を画し、ひとそれぞれの個別性を大切にします。そのためにコンピューターによる画一的な対応は難しいのです。作業療法は心や体の不具合が生じている方に、作業を通したオーダーメイドの健康支援を行います。救急病院から地域医療や予防、身体障害から精神障害、子供から高齢者まで幅広い領域を対象とします。本学の理念である「実学主義」の下に,基本的な医学、作業療法の専門知識について,時にはiPadなどのデジタル機材を利用したり、実際に障害をお持ちの方々にご協力をいただきながら、学びを深めていきます。さらには,早期から配置された多岐にわたる臨床実習を組み合わせて、実践力のある優れた作業療法士を養成します。
2多くの現場との連携が深く、臨床実習先が豊富にあります
本学には附属病院がありません。しかし、多くの現場の先生方と緊密な連携を取っており、附属病院が複数あるイメージに近い状態といえるかもしれません。たとえば、大学内での実技試験の監督として現場の先生にお手伝い頂くなどの教育も行っています。さらに第一線で活躍される先生方を特別講師としてお招きするなど、臨場感あふれる実学教育が可能となっています。また、作業療法士養成課程では数週間から2ヶ月程度の臨床実習がありますが、毎年できるだけ学生の住まいに合わせて臨床実習先を選定するようにしています。短期の実習では、他の養成校ではあまり行われていない、教員が同行して実習指導を行うことや、Web上で実習の進捗を確認する取り組みもはじめています。また、希望する学生は全国にある最先端の取り組みを行っている病院や施設での実習も可能です。実習に関するさまざまな新しい試みを展開しています。
3国家試験への支援をし、常に高い合格率を誇っています
作業療法士養成校の最後の関門は国家試験です。国家試験に合格して初めて作業療法士になることができます。本学では、4年次に国家試験対策の講義を行います。各教員がそれぞれの担当科目の国家試験対策の講義を複数回行います。学生が国家試験の対策を行う教室もあり、国家試験対策専門の外部講師による集中講義も行っています。これらの講義によって基礎学力を高め、更に模擬試験を定期的に行い実力をチェックしています。各学生の成績や進捗状況に合わせたフォローはもちろんのこと、時にマンツーマンでの個別指導も行います。これらの成果として、これまで5年連続で高い合格率を誇り、ここ数年厳しくなっている全国平均合格率を常に上回っています。このようにコンスタントに高い合格率を維持していることは、国公立も含めた中で、全国トップレベルと言えます。

取得可能な資格
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作業療法士国家試験受験資格
- 国家試験対策
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2022年実施
国家試験
合格率[新卒]- 作業療法士97.2%
広範囲にわたる作業療法士国家試験の出題内容の理解を深めるために、1年次の専門基礎科目から4年次の専門科目まで個別の学修支援とグループワークを行うことが、作業療法学専攻の国家試験対策の基本です。学生と教員が一体となって、国家試験合格をめざしていきます。
作業療法学専攻は世界に羽ばたく研究を目指します

学生時代から海外の研究者と繋がります
現在、ニュージーランド、韓国、マレーシアの大学と学部間交流協定を締結している他、多数の海外との共同研究を展開しています。そのため毎年海外からの共同研究者や学生が来校して交流したり、教員引率で海外の大学を訪問するプログラムも行っています。また学生の卒業研究で、海外の研究者や臨床家と共同でデータ収集するなど、学生時代から海外の研究者と接する機会を創出しています。これからのグローバル社会で活躍できる学生を育てます。

学生もハイエンドな研究に携わります
大学3年生から、全ての学生が教員ごとのゼミに分かれ、卒業研究を行います。大学では、アプリ開発、外国の作業療法の調査やHead Mounted Displayを利用したVirtual Realityの研究など多岐にわたる研究がなされていますが、その中には学生が参画するものもあります。研究室によっては、学生も最先端でハイエンドな研究に携わり、実際に国内の学術雑誌に主著者として掲載されたり、海外のインパクトファクター付きの学術雑誌に教員の共著者として掲載されたりしています。これらは全国的に見ても非常に珍しい本学の特徴であるといえます。
紹介ビデオ
専攻紹介
作業療法士は、仕事、遊び、日常生活活動といった日々の様々な作業活動に焦点を当てた治療や援助によって、人々のこころとからだの健康・幸福を支援する専門職です。
ADL室紹介
ADL室は、様々な障害を持つ方の日常生活行動を援助する作業療法のプロセスを体験できるように、バリアフリー設計のバス、キッチン、トイレ、和室などが設置されています。
レクリエーション室紹介
レクレーション室では、いろいろな遊びや音楽活動などを実際に体験し、作業療法における治療的応用について学んでいきます。
1・2年生が語る学生生活
サイコロトーク第1弾!コロナ禍の学生生活も含め、入学までの勉強、授業や放課後、プライベートも含む様々な学生生活について話します!内容は運次第?
3・4年生が語るここがすごいよ工科大OT
サイコロトーク第2弾!高学年の3・4年生が学生生活を振り返り、教育や研究、プライベートも含め東京工科大学の魅力について話します!これも内容は運次第!
工科OT授業アラカルト!
現在行われている様々な授業の概要について、短くオムニバスにまとめました!!
専門基礎科目・専門科目
専門基礎科目
専門基礎科目は、作業療法の専門科目を理解するうえで土台となる科目であり、国家試験の約50%がこの領域から出題されるほど重要な内容が網羅されています。「人体構造学」「生理学」など、人体の構造と機能、心身の発達について理解を深めるための科目、さらに、精神医学や神経内科学などの疾病と障害の成り立ちと回復の過程を理解するための科目、保健医療福祉を推進するために、作業療法士の役割、地域との連携のあり方を学ぶ科目など、作業療法士としての総合的・基本的な知識とものの見方、判断力を養うことを目的としています。
主な専門基礎科目
運動学
ヒトの身体運動のメカニズムについて、解剖学や生理学、バイオメカニクスの観点から学んでいきます。リハビリテーションの基本となる重要な学問領域ですが、運動を文字で理解するのは決して容易ではありません。そのため、10台のiPad、解剖学のアプリ、人体解剖模型、実技等を積極的に活用しながら理解を促しています。

臨床運動学演習
作業療法の現場では様々な病気を有する方々を支援します。対象者の様々な作業活動が、病気によってどのように障害されるのかを、解剖学や運動学の観点から学びます。授業では実際に障害を持つ方々の動画を見ながら動作の模倣を行います。それらを通して、作業活動において筋肉や神経の不具合が、作業のどの場面の阻害因子になっているかを分析します。これらの分析ののちに、最終的には作業療法における代表的な治療技術(手技)について学びます。
地域体験実習
1年次に、作業療法士がいる急性期病院、精神科デイケア、介護老人保健施設、障害児・者の施設等の見学実習を通して、現場で働く作業療法士や対象者の方の生の声を聞き、作業療法の役割や魅力について学びを深めます。

専門科目
1・2年次に作業療法領域の基本的な科目を、3・4年次には各分野の、より専門的な科目を履修します。また、学修効果を高めるために、1年次から作業療法やリハビリテーションを必要とする方々と接する機会を設けています。4年間を通して様々な講義に、障害を持つ方々をお呼びしたり、現場の作業療法士による特別講義を行なうなどし、常に障害者や臨床家と接する機会を設けています。このような経験を重ねながら、最終学年時に行われる長期間の連続した臨床実習につなげています。
主な専門科目
基礎作業学実習
この実習では、治療手段として使う手工芸や化粧などの作業の体験と、作業療法による学問的分析や臨床での応用などを学びます。また作成したおもちゃやスイッチなどを、子どもや障害のある方が実際に使い、フィードバックをもらうことで学びに生かします。

精神機能作業療法学
地域で暮らす精神疾患をお持ちの方にお越し頂き、地域生活の様子について面談を通して理解を深めます。授業後半では学生の面接方法について、当事者からも感想や指導をもらいます。当事者の声を取り入れた実践的学習を行っています。

身体機能評価学演習
作業療法では数多くの評価を学ぶ必要がありますが、場所を選ばずに繰り返し学習を行えるように、教員が作成した動画教材を使用した学習をしています。また、近隣施設に通所されている障害当事者の方々にご協力していただき、修得した評価、検査を活用して、当事者の生活の困りごとについて分析を行っています。

教員・研究紹介
医療保健学部リハビリテーション学科作業療法学専攻澤田 辰徳 准教授
医療保健学部 作業療法学科友利 幸之介 准教授
医療保健学部 作業療法学科池田晋平 講師
施設紹介
ADL室

ハンディを持つ人の日常生活活動(Activity of Daily Living = ADL)を学ぶ部屋で、バリアフリー設計のバス、キッチン、トイレ、和室などを設置。車椅子でも利用できるよう手すりやキッチンなどの高さを調整できるようになっています。残された機能を使ってパソコン、照明などの様々な機器を操作できる環境制御装置も設置されています。
レクリエーション室

主に発達障害作業療法を学ぶために、様々な遊びや音楽活動などを実際に体験でき、発達検査など心身の機能の評価も学習できる部屋です。感覚統合療法で用いられる様々な遊具を天井から吊るすことができるようになっており、それぞれの遊具の特性を体験しながら学ぶことができます。
卒業生インタビュー
作業療法学専攻の卒業生に、現在の仕事、作業療法士や東京工科大学の魅力について聞いてみました。
2022年2月撮影

学生時代に身に付けた自ら学ぶ姿勢が、作業療法士になってからも役立っています
医療保健学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 澤田辰徳 教授
社会福祉法人農協共済 中伊豆リハビリテーションセンター 作業療法士 東川裕輝(2020年3月 医療保健学部作業療法学科 卒業)
就職状況
就職率(就職内定者数/就職希望者数) 2021年度卒業者実績(2022年5月1日現在)
就職率 100%
卒業後の進路
国公私立・大学病院などをはじめとする医療機関/介護老人保健施設/心身障害者(児)療育施設/保健所/都道府県、市町村(保健部門)/大学院進学 ほか
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